性的暴行の前科者、留置場から脱走 /大邱

 女子中学生に対する性的暴行の前科がある強盗傷害の容疑者が、17日に大邱東部警察署の留置場から脱走した。監視に当たっていた警察官2人のうち1人は居眠りしており、別の1人は面会室でパソコンを使用していたため、脱走に気付かなかった。

 強盗傷害の容疑で同警察署の留置場に収容されていたA容疑者(50、無職)=写真=は同日午前5時ごろ、縦15センチ、横45センチの食事差し入れ口から留置室を抜け出した。狭い差し入れ口を通り抜けるため、上着は脱いでいた。警察は「監視カメラに映ったA容疑者の体に光が反射しており、支給されたシャンプーなどを塗っていたようだ」と話している。

 A容疑者は高さ2メートルの位置にある壁側の窓を開け、服を外に放り投げると、飛び上がって窓枠をつかんだ。縦65センチ、横170センチの窓には、13.5センチ間隔で窓格子が設置されていた。留置場の監視カメラにはここまでしか映っていないが、A容疑者は格子の隙間をこじ開けて外に出たとみられる。

 A容疑者が抜け出した窓の外は、ごみ捨て場がある警察署の裏手で、塀の高さも1.2メートルと低い。A容疑者は、警察署から約200メートル離れた東部高校付近の防犯カメラに捉えられたのを最後に、行方が分からなくなっている。

 この留置場の警察官は、3人1組で3交替制勤務をしている。通常は3人とも留置場中央の机で勤務しているが、午前0時から午前6時までは1人2時間ずつ休憩を取ることになっている。

 だが、警察と検察が調べたところ、当時勤務していた警衛(警部に相当)=43=は留置場の隅にある面会室でパソコンを使用しており、別の警査(警部補に相当)=42=は机で居眠りをしていたことが分かった。もう1人の警査(45)は2階の宿直室で休憩中だった。A容疑者が入っていた3番留置室は机の真正面にあり、机から5メートルも離れていなかった。同室の別の被留置者2人は、眠っていて脱走に気付かなかったと証言している。A容疑者は脱走の際、毛布を丸めて眠っているように見せかけたため、警察は脱走から2時間後の午前7時35分にようやくA容疑者がいないことに気付いたという。

 A容疑者は性的暴行などの前科25犯。2008年にアルコール依存症で入院した際、同じ病室の患者の見舞いに訪れた女子中学生(当時14)に「就職させてやる」と言って近づき、自宅に連れ込み数日にわたり性的暴行を加えた。この事件で約4年間服役し、今年2月に出所した。7月に住宅侵入・強盗の容疑で再び逮捕され、今月21日に拘置所に移される予定だった。

大邱= 崔宰薫(チェ・ジェフン)記者
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