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「歯のばんそうこう」で虫歯にさようなら?日本の研究者が開発

  • 2012年09月18日 09:46 発信地:東京
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「歯のばんそうこう」こと極薄ハイドロキシアパタイトシート(写真上)と、和歌山県紀の川市にある近畿大学(Kinki University)生物理工学部の本津茂樹(Shigeki Hontsu)教授の研究室で男性の前歯に装着される極薄シート(写真下、2012年9月6日提供)。(c)AFP/KINKI UNIVERSITY/SHIGEKI HONTSU

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【9月18日 AFP】1つ1つの歯を虫歯から守ったり、より白く見せることのできる極薄の膜を、近畿大学(Kinki University)生物理工学部の本津茂樹(Shigeki Hontsu)教授と大阪歯科大学(Osaka Dental University)の吉川一志(Kazushi Yoshikawa)准教授が共同開発した。

 この「歯のばんそうこう」は耐久性に優れた柔軟性に富むシートで、歯のエナメル質の主成分ハイドロキシアパタイトでできている。AFPの電話取材に応じた本津教授によると、「曲げられる」ハイドロアパタイトシートは世界初。歯の保護やエナメル質の修復など、歯科治療での実用化を目指しているという。

 シートの厚さはわずか0.004ミリメートル。歯の表面に貼り付けると、光を当ててよく観察しない限り見えなくなる。透明だが、白く着色すれば審美歯科治療にも活用できる。

 極薄シートは、真空で固形状のハイドロキシアパタイトにレーザー光を照射して粒子を放出させ、塩の上に堆積させた後、塩のみを水で溶かすことによって作られる。シートには微小な穴がたくさんあり、液体や気体を透過させるので、歯に装着する際に気泡などが形成されずに済むという。唯一の問題は、シートが歯の表面にしっかりと定着するのにまだ1日近くかかってしまう点だ。

 研究チームは抜歯後のヒトの歯で実験を続けているが、近いうちに動物実験に移行する予定。本津教授は、自分の歯でも試したいと語っている。

 本津教授によれば、むき出しになった象牙質をこの「ばんそうこう」で覆うといった歯科治療における実用化には5年以上かかる見込みだが、審美歯科ならば3年以内にも実用化できるかもしれないという。

 既に日本と韓国で特許取得済みで、米国や欧州、中国でも出願中だ。(c)AFP

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