ホーム野生生物ニュース違法事例・法執行ニュース>ベトナム:トラやヒョウなど大型ネコ類の違法取引に環境警察が爪を立てる

野生生物ニュース

ベトナム:トラやヒョウなど大型ネコ類の違法取引に環境警察が爪を立てる

2010年07月06日
ソーシャルブックマーク はてなブックマーク yahooブックマーク livedoor del buzzurl
ツイート ツィート
Buzz GoogleBuzz
印刷 印刷
 
100630frozentiger_EnvironmentalPolice.jpg 2009年7月にハノイの環境警察によって押収された冷凍されたトラ。最近の押収事件は違法取引が依然として続いていることを示唆している。
© Tran Quang Cuong / Hanoi Environmental Police

【ベトナム、ハノイ 2010年6月30日】
ベトナムの環境警察が、ベトナムの中央に位置するゲアン省で冷凍されたトラ2頭とヒョウ1頭を押収した。

 これらは、先週初めジエンチャウ地区の53歳の男性の家からトラのものだと疑われる骨5kgとともに押収された。容疑者は逮捕された。

 この押収は、最近設立された環境警察を含む法執行当局間の協力体制によって実現した。

 トラフィックは、ベトナムの野生生物法の執行に対する努力を称賛する。「環境警察は、トラのような保護種の違法取引を差し止めることへ献身的に取り組んでいる姿勢を、改めて示した」とトラフィックのグレーター・メコン・プログラムのコーディネーターであるトーマス・オズボーンは言う。

 ベトナムや国際法の下、トラやヒョウは保護されているにもかかわらず、密猟され、肉やみやげ物、伝統薬や虎骨酒を作るための骨めあてに、ベトナムをはじめ東南アジアで取引されている。

 今年の3月には、ラオバオ国境(Lao Bao Border) の護衛警官がトラの体(95 kg)と黒色のヒョウ(27 kg)を押収した。これらはベトナムで売るために国境を越えて運ばれるところだった。

 ベトナムに生息する野生のトラはわずか30頭程度であると推定されている。「もし、ベトナム国内に残存するトラや脅かされているその他の種を守りたいと考えるのであれば、これまでよりさらに当局による警戒を強化し、現行の野生生物法をサポートし、普及促進するため政府による精力的な取り組みが必要である」とオズボーンは言う。

 トラは、特に寅年であるいま、絶滅の寸前にある種として世界的な象徴となっている。世界的に推定わずか3,200頭が残存しているのみで、野生のトラは10年の間にいなくなってしまうであろうという危機的状況にある。

 トラは、中国の太陰暦の寅年にあたる今年、特に注目を浴びている。トラフィック、WWFやその他団体は今年、次の寅年である2022年までにトラの個体数を倍にするための政治的関与を確保するべく活動を続けている。

 

■詳細に関するお問い合わせ
Sarah Morgan, Communications Officer, TRAFFIC Greater Mekong Programme Tel. +84 4 3726 1575 Ext 204, E-mail: smorgan@traffic.netnam.vn

→トラの特集サイト『絶滅のおそれのあるトラを救おう』
2010年07月06日
ソーシャルブックマーク はてなブックマーク yahooブックマーク livedoor del buzzurl
ツイート ツィート
Buzz GoogleBuzz
印刷 印刷

関連ニュース

110526Batagur_baska.jpg

数百万円のリクガメ取引でペットショップ経営者逮捕

2011年05月26日

5月22日に、取引が禁止されているカメ類を売買したとして「種の保存法」違反で、都内のペットショップの経営者、および購入者である埼玉県の会社役員の2人が逮捕された。

©TRAFFIC East Asia-Japan (撮影協力:野毛山動物園)

110513bear-cub-s.jpg

タイ:旅行バッグから生きたヒョウ、クマ、サルがみつかる

2011年05月24日

4頭の子ヒョウ、1頭の子グマ、1頭のテナガザルの赤ちゃんと1頭のマーモセット、合わせて7頭の幼い動物が、36歳の容疑者のバッグに、生きた状態で詰め込まれていたのが発見された。

© Panjit Tansom

110519ivory_elephant.jpg

国内の大手象牙印材販売会社による違法取引:日本の重い責任

2011年05月19日

警視庁は2011年5月11日に、象牙の生牙の国内取引の際に必要な登録をせずに売買したとして、大手象牙印材販売会社の元会社役員ら4人を、種の保存法違反(譲り渡し等の禁止など)の疑いで逮捕した。

©Martin Harvey / WWF-Canon

110519bear-in-cage.jpg

アジアの課題:クマノイ取引

2011年05月19日

東南アジア中心としたアジアのクマノイ(クマの胆嚢、ユウタンとも呼ばれる)取引に関するレポート『Pills, Powders, Vials & Flakes: The bear biletrade in Asia(アジアのクマノイ取引)』を発表。

© TRAFFIC Southeast Asia

関連出版物

10_Big_Cat_Trade_in_Myanmar.jpg

The Big Cat Trade in Myanmar and Thailand

発行:トラフィックサウスイーストアジア【2010年10月】 著者:Adam H. Oswell 【英語】 32 pp.

10_Reduced_to_Skin_Bones.jpg

Reduced to Skin and Bones: an analysis of tiger seizures from 11 tiger range countries (2000-2010)

発行:TRAFFIC International 【2010年11月】 著者:Pauline Verheij, Kaitlyn-Elizabeth Foley, Katalina Engel 【英語】44 pp.

pagetop