日中関係の悪化影響か 大理市の使節団、美馬市訪問を延期 2012/9/15 10:06
9月下旬に予定されていた美馬市の友好都市、中国・大理市の使節団の初来県が延期されたことが14日分かった。副市長の公務変更が理由だが、日本政府による沖縄県・尖閣諸島の国有化をめぐる日中関係の悪化が影響している可能性もある。中国への旅行予約も鈍化傾向をみせるなど、徳島県内にも関係悪化の影響が出始めている。 使節団は大理市の副市長を団長とする6人で、25日から4日間の日程で美馬市を訪れる予定だった。しかし、13日夕に大理市から「副市長に急な仕事が入ったため、訪問をとりあえず延期する」と電話で連絡があった。 両市は2010年8月に友好都市協定を結び、美馬市は今年5月、初の使節団を派遣。大理市の使節団は当初8月中旬に来県する予定だったが、尖閣国有化問題で日中間の緊張が高まりつつあった8月3日、渡航許可の遅れを理由にキャンセル。その後、「9月下旬に訪問したい」と打診があり、両市で調整中だった。 今後の日程は未定。牧田久市長は「草の根交流こそが日中両国の理解を深める大きな要素。延期を了承したが、早期に訪問してほしい」と話している。 緊張の高まりにつれ、今後も影響の広がりが懸念される。旅行会社エイチ・アイ・エス徳島営業所によると、10月の中国旅行の予約は11年同期に比べて7割落ち込んでいる。現地の状況に関する問い合わせも寄せられている。担当者は「両国の関係からしばらく目が離せない」と気をもむ。 10年に県が開設した上海事務所は中国に進出している県内企業に、外務省からの注意情報を提供している。県グローバル戦略室は「現時点で具体的な被害があったとは聞いていない」とする。 徳島文理高校は13日からの中国研修旅行(修学旅行)を予定通り行った。1年生45人と教員4人が姉妹校の北京師範大学第二付属中学校、万里の長城などを訪れ、16日に帰県する。同校によると、姉妹校で歓迎され、引率教員からは「町に変わった様子はない」と連絡があった。
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