石巻赤十字病院救命救急センター(宮城県石巻市)で昨年8月、呼吸困難で救急搬送された50代の女性を治療した際、医師が心臓を覆う心嚢(しんのう)に刺した針を抜き忘れ死亡させる医療ミスがあったことがわかった。県警は業務上過失致死の疑いもあるとみて調べている。
4日、同病院が発表した。病院によると、女性は乳がんの手術後、病状が悪化し、昨年8月13日朝、搬送された。女性はがん性心膜炎により、心嚢に水がたまっていると判明。20代の男性医師が心嚢にビニール筒を刺して水を抜き取る処置をした際、筒の内側の針を抜き忘れた。女性は一時安定したものの、翌朝、呼吸が停止し、死亡が確認された。
男性医師の報告を受け、病院は病理解剖を実施。抜き忘れた針が右心室に穴を開け、血液が心嚢にたまって死亡したことが分かった。病院は石巻署に届けて遺族に謝罪したが、公表はしていなかった。