野田政権は、米軍新型輸送機オスプレイの日本国内での飛行を認める「安全宣言」を19日にも出す方針を固めた。日米の外務、防衛当局で構成する日米合同委員会で、飛行ルールについて大筋合意した。米軍はオスプレイを一時駐機中の岩国基地(山口県岩国市)から普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に移し、10月中に本格運用する方針だ。
合同委では、低空飛行訓練の最低高度を150メートルとし、普天間飛行場での夜間飛行回数を従来のヘリの回数並みにすることで一致。回転翼を前傾させる「転換モード」への切り替えも、飛行場の上空で行うのを基本とする方向だ。この内容は18日に野田佳彦首相に報告される予定。
玄葉光一郎外相とパネッタ米国防長官は17日の会談で「合同委での議論の大きな進展」を確認。パネッタ氏は記者会見で「オスプレイは日本の防衛にとって重要だ。地元の懸念を踏まえ、安全な運用に十分配慮したい」と語った。
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〈オスプレイの低空飛行訓練〉 米海兵隊は普天間飛行場へのオスプレイ配備にあたり、飛行訓練の経路として東北―信越の山間部中心の3ルートのほか、四国―紀伊半島と、九州、奄美諸島に各1ルートの計6ルートを明示。ほかに1ルートがあるが「公開できない」としている。