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政治
【再び、拉致を追う】「ミスターX」浮かぶ実像
■秘密警察副部長/金総書記に通じる/スパイ罪で粛清か
小泉純一郎元首相の訪朝に関する水面下の交渉で、北朝鮮の窓口役を務めたのは日本側が「ミスターX」と呼んだ人物だった。訪朝から10年がたち、その実像が明らかになってきた。(久保田るり子)
◇
「頭のいい男だった」
ミスターXと会ったことのある日本政府の交渉関係者は異口同音にいう。
中肉中背で筋肉質。英語、フランス語を話し、年齢は当時で40代中頃。外交交渉には不慣れな様子だったが、話の切り返し方などで相手に知的な印象を与える人物だった。
日本側には国家最高機関「国防委員会」に所属し、「自分は参与だ」と説明していた。「金哲(キム・チョル)」と名乗ったが、キムは山田、チョルは太郎のような仮名だ。
韓国情報当局はX氏の正体について、北朝鮮の秘密警察である国家安全保衛部の柳京(リュ・ギョン)副部長だとしている。
交渉は平成13年晩秋から始まった。まもなく日本側は槙田邦彦・外務省アジア大洋州局長から田中均氏に引き継がれた。
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