福島第1原発:周辺10市町村の小中生半減 避難先で安定
毎日新聞 2012年09月18日 07時00分
昨年4月に再開できても苦戦が続くのが大熊町だ。福島第1原発が立地し、全域が警戒区域に指定された。会津若松市内で再開して当初こそ5割だったが、現在は4割を切っている。町への帰還の見通しが立たず、家族ごと県外への転出が相次いでいるという。町教委は「このままでは再建に深刻な影響を与える」と危機感を募らせている。
◇帰郷に現実の壁 「親の仕事」「転校先に慣れた」
東京電力福島第1原発事故の影響で子供たちが減った福島県内の市町村では、学校関係者らが「故郷への意識を保ち、将来の復興を担ってほしい」と切実な思いを抱く。各地に散る子供を集めて行事をするなど懸命だ。しかし、生徒らは避難先で生活を安定させるほど戻りにくいという皮肉な現実が横たわる。
8月。同県郡山市のホテルに、富岡町立中2校に現在通っているか、通う予定だった226人が集まり、1泊2日で「再会のつどい」が開かれた。