特例公債:成立めどなく…苦肉の予算執行抑制
毎日新聞 2012年08月24日 22時13分(最終更新 08月25日 00時26分)
政府・民主党は24日の衆院財務金融委員会で今年度予算の執行に不可欠な赤字国債の発行を可能にする「特例公債法案」を強行採決し賛成多数で可決したが、参院は与党が過半数割れしており、法案成立の見通しが立たない。今年度予算の歳入の約4割は赤字国債発行による借金頼み。同法案が成立しないと“金欠”で政策が進められなくなる。国民生活への影響を抑えるには限られた資金をやり繰りする必要があり、財務省は9月に予定する自治体への地方交付税の配布先延ばしなど予算執行抑制策の具体的な検討に入った。
「(今国会で同法案を)成立できなければ、限られた予算を長持ちさせるため、予算執行の抑制案を考えなければならない」。安住淳財務相は24日の記者会見で苦渋の表情を浮かべた。自民や公明などは24日の同法案の強行採決に猛反発しており、9月8日が会期末の今国会での同法案成立は極めて困難な情勢となっているからだ。