がん患者の生活を改善するために9月16日 5時47分
吐き気やだるさなど、がん患者が治療の副作用などで感じているつらさや不便さをさまざまな工夫で軽減し、生活の質を上げるためのアイデアを集めた催しが東京で開かれました。
これは東京・中央区にある国立がん研究センター中央病院が行ったもので、がん患者や家族などが訪れました。
去年、センターが患者にアンケートを行ったところ、ほとんどが治療の副作用や後遺症から日常生活のつらさや不便さを感じていて、中でも家事や身だしなみなどに関する悩みが目立ったということです。
5年前に胃がんが見つかった東京・三鷹市の古賀誠一さん(75)も、抗がん剤治療の副作用で吐き気や口内炎が生じ、食事がとれませんでした。
体のだるさにも悩まされたほか、肌が浅黒くなって人目が気になったため、外出を控えたということです。
古賀さんは、「あれほど生活に支障が出るとは予想していなかったので、つらかった」と話していました。
催しでは、吐き気の原因となる臭いを抑えるよう、ショウガなどを使った酢の物やサラダなどの料理のレシピ集が展示されているほか、口内炎があっても食べやすいゼリーなども紹介され、訪れた人たちが試食していました。
また、皮膚の色が変わったりシミが出来たりした場合に、ファンデーションで目立たなくする化粧法の実演も行われました。
さらに家事の工夫を紹介するコーナーでは、看護師が「免疫力が落ちていると、ほこりを吸って感染症になるおそれがあるので、だるければモップで拭き掃除をするだけでも効果がある」とアドバイスしていました。
国立がん研究センター中央病院の那須和子看護部長は、「2人に1人ががんになる時代なので、ちょっとした工夫で生活の質を改善できることを知ってほしい」と話していました。
この催しは、16日も午前11時から午後4時半まで開かれます。
[関連リンク] |
|