あくまでスピンオフであるという認識が必要だと思います。
というのも、この漫画の主要キャラが麻雀を再開する動機となる存在が『咲』本編の主要人物であるからです。
この漫画単体で見ると、少し駆け足すぎる気がします。阿知賀の生徒は、二か月の特訓で地区大会を優勝してしまう化け物集団です。もちろんこのスピンオフ元の漫画には異能者・魔物が出てきます。しかし、特訓の描写や戦いを通しての成長といった描写が抜け落ちていることで簡単に突破してしまった印象を受けてしまう。
アニメ化との連動企画であり、紙面や時間的制約を考えれば致し方ないとは思うのですが、本編が全国大会開始までに8巻かけているのに対し1巻で全国まで来てしまうのですからやはり駆け足と言わざるを得ないかなと思います。
純粋に単体で見れば、描写不足などもあり満点はつけがたいです。ただし、スピンオフ作品であるという前提から見れば、可愛らしい絵で他の高校が描写され、既存のキャラクターとの連動も見ることができるとなればかなり高い評価をつけることも可能だと思います。
以上のことから、『咲』本編の読者の方は小鍛冶プロの話や最後に登場するラスボスのような主要人物などにニヤリとする場面もありますので購入してみると面白いかもしれません。まだ、『咲』を知らない方は、阿知賀編のアニメが放送されますのでそちらを確認してから、購入するというのも手かと思います。