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退職しているのに「専任」…医療専門学校で教員不足
名古屋市中村区の医療系専門学校「東海医療科学専門学校」が昨年、専任教員の不足や定員超過があったとして、厚生労働省東海北陸厚生局から文書による改善指導を受けていたことが12日、わかった。
専任教員が規則より少なかったうえ、退職した教員を専任教員として配置したように見せかける虚偽申告を行っていたという。同局は指導文書で、「法人として法令順守意識が極めて希薄」と異例の指摘をした。愛知県は、同校を運営する学校法人セムイ学園(野村順雄理事長)に対する年間千数百万円の補助金支出打ち切りを検討している。
同校は厚労省から医療系の資格取得教育を行う「養成所」として指定を受け、理学療法科や臨床工学科など6学科を開設。卒業後は、理学療法士などの国家試験の受験資格が得られるため、厚労省は規則で定員や授業内容などを細かく規定している。
改善指導を受けたのは、視力検査などの人材を育てる視能訓練科と、医療機器操作の技術者を養成する臨床工学科の2学科。視能訓練科では、規則で定められた専任教員6人に対し、1人しか配置しなかった。さらに2009年に退職した教員の名前を書いて報告し、教員が2人いるかのように虚偽申告した。
同校は、「在籍の生徒数が定員より少なかったので教員1人で大丈夫と判断した」と説明した。
また、臨床工学科は09、10年度の定員40人に対し、48人、53人と生徒数が超過したが、定員変更をしなかった。さらに、厚生局は視能訓練科の仏教概論で8時間、公衆衛生学で2時間の授業時間が不足していたことや、申請日以前の実習実施、申請とは異なる教室で授業を行うなど規則違反を指摘し、改善を求めた。
改善指導を受け、同校は昨年11月に専任教員1人を雇用するなどし、昨年12月に改善報告書を厚生局に提出した。「生徒の国家試験取得に影響はなかった」としている。野村理事長は「法令違反を指摘され、恥ずかしい。既に外部の調査委員会も設置しており、今後、問題がないよう徹底したい」と話した。
セムイ学園は1992年に設立され、名古屋市と愛知県みよし市に同校を含め専門学校4校を運営し、約1100人が在籍。東海医療科学専門学校は07年の開校で705人が通っている。昨年度は、県から1265万円の補助金を受けた。
(2012年9月13日 読売新聞)
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