7月末の段階で、コボストアでは約260万点もの作品が購入できるが、これは外国語作品も含む数字。日本語の蔵書数は2万3000点ほどになる。うち1万2500点以上が「青空文庫」を中心とする無料作品。青空文庫は、著作権が切れた文芸作品を電子書籍化し、無料で読めるよう一般に配布しているプロジェクトで、スマホでも楽しめる。
無料作品を除外すればコボストアの日本語蔵書数は1万点ほどになり、さらに、コミックのカテゴリーに分類されている約4500点を除外すると半減する(楽天は書籍とコミックの内訳を明らかにしていない)。新刊本を見ても、品揃えは寂しい。
■蔵書数では既存の電子書店が優勢
出版業界が売れ行きの指標としている紀伊國屋書店の販売ランキングの「週間和書ベストセラー(7月16日~22日)」。上位30位以内でコボに並ぶタイトルは1つもない(30日時点)。つまり、リアルの書店で売っているような日本語書籍を手に入れるのは、まだ難しい状況にあり、競合他社に比べても見劣りする。
例えば、ソニーが運営する「リーダーストア」。7月末の日本語書籍の蔵書数は、約3万6500点。うち、青空文庫を中心とする無料作品は2000点ほど。約2万1000点のコミックと合わせると、有料のタイトル数は計5万5500点になる。
新刊本について、紙の書籍の売れ筋がなかなか電子化されない状況は、既存の電子書店も同じ。だが、上記の紀伊國屋ベストセラー上位30位のうち、「聞く力(阿川佐和子著、文藝春秋刊)」「重力とは何か(大栗博司著、幻冬舎刊)」の2作品は、リーダーストアをはじめ、多くの既存電子書籍ストアに並んでいる。
タイトル数について、少なくとも現時点では三木谷社長が掲げる「読書革命」が起きているとは言い難い。三木谷社長は何と言うのか。
■8月末までに6万点、「たぶん国内最大になる」
「最初はマンガの方が多かったのは事実。なぜかというと、フォーマットがPDFなので出版社さんの方でのチェックが簡単なんですね。テキストになると、フォントを変えてもちゃんと表示されるかとか、チェックに時間がかかるので。でも、今後はテキストの方が圧倒的に増えていきますよ」
「毎日、1000点くらい増えていて、7月末までには合計3万点弱、8月末で6万点までいく予定です。その時点で、たぶん国内最大になる。その後は『年内に約20万点』というのがひとつの目標になってきますね」
「出版社さんとの契約については『トップ50』のうち、ほとんどが契約が終わってるか、契約に合意しています。(まだコボストアに電子書籍が並んでいない)集英社さんや新潮社さんについても、細かい文言を調整中で、近日中に契約できる見込みです。契約が終わってなくても、電子書籍の(コボ向けの)コンバージョンは終わっている。スピードスピードで、どんどん追加されますよ」
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