【青島(中国山東省)=菅原透】中国国内で16日、日本政府の沖縄県・尖閣諸島国有化に抗議する反日デモが各地に広がり、現地に滞在する日本人は警戒と緊張を強めた。前日、デモ隊に襲撃された山東省青島市では、日系スーパーのガラスが砕け、工場内にはめった打ちにされた乗用車が横転し、破壊行為の激しさを物語っていた。
15日にデモ隊が暴徒化した青島市西部の黄島区。トヨタ自動車系やホンダ系とみられる自動車販売店は建物全体が真っ黒に焼けただれていた。「こんなにひどいとは」。現場確認に駆けつけた損害保険会社の担当者は驚きの表情を浮かべた。
放火された日系部品メーカーの工場は16日午前になってもくすぶり続け、煙を上げていた。
現地の日系企業関係者によると「まず狙われたのはジャスコ。そしてパナソニックの工場へ向かった」。当初3千人規模といわれたデモ隊はその後も次々に日系工場を襲い、収束は夜10時ごろ。16日までに被害が確認されたのは12社にのぼる。
ジャスコを運営する青島イオンの折口史明総経理は、デモ隊が鉄パイプなどを手にしているのを目撃したといい、「これは単なる反日デモではない」と語気を強めた。
青島周辺には約600社、黄島だけで約50社の日系企業が集積するが、企業関係者は「これまで反日デモが起きたことはなかった」と当惑する。
今回の暴徒化の背景として指摘されるのが、5年ほど前、青島市政府が周辺に分散していた大学や高等専門学校を黄島に集積させ、反日教育を受けた若い学生が一気に増えたこと。都市化が進んで工場と住居が混在する街へ変貌を遂げる中で住民の権利意識も高まっており、「数年前には日系ではない化学工場からの異臭を発端に住民運動があった」(日本貿易振興機構青島事務所の北条尚子所長)。
16日も複数の反日デモがあったが暴徒化はせず、被害は確認されなかった。しかし、青島の日系企業関係者によると、15日夜にも4社を名指しし「日系企業を襲う」との予告があったという。満州事変の発端となった柳条湖事件の発生日である18日に学生たちが授業を終えた午後5時50分からのデモを呼びかけているといい、現地の日本人社会は「まだ安堵できない」と警戒を強めている。
トヨタ自動車、ホンダ、反日デモ、ジャスコ、パナソニック
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