反日デモ:「たたき壊すのが愛国なのか」…中国・青島市
毎日新聞 2012年09月17日 09時03分(最終更新 09月17日 11時16分)
【青島(中国山東省)工藤哲】割られたガラスの破片が残り、放火で全焼後も煙がくすぶる。日本政府による沖縄県・尖閣諸島の国有化に抗議し、中国各地に広がった反日デモ。山東省青島市では16日朝、日系のスーパーや工場、自動車販売店は無残な姿をさらしていた。「『日本製品ボイコット』を叫びながら日本製品を略奪した。言行が一致しないただの暴徒だ」。日系スーパーの経営者は肩を落としていた。
青島市中心部から海を挟んで西に位置する黄島区。06年に開業した「ジャスコ黄島店」。2階建て建物のほとんどのガラスが投石で割られた。地面には、こぶし大のレンガが目についた。
「日本ばかやろう」「日本鬼子(日本人への蔑称)は死ね」。壁には黒や赤のスプレーで落書きされている。「ひどい状況です。これが正義、愛国なんですかね」。経営に携わってきた青島イオンの折口史明社長(49)は悔しさをあらわにした。