巨人の4年目右腕・笠原将生(21)が、12日の広島戦に登板。6回無失点の好投でプロ初勝利を挙げたことも朗報だが、それよりもベンチを安堵させたのは小笠原道大内野手(38)に4か月半ぶりの安打が生まれたこと。実は「金本引退発表」の余波で、この日のベンチ裏では小笠原の周辺で異例の“厳戒態勢”が敷かれていた。
この日は対戦相手が金本の古巣球団だったということもあり「鉄人引退」の大ニュースで東京ドームも試合前から異例の大騒ぎとなった。
広島側だけでなく、巨人からも長嶋終身名誉監督らが続々と引退を惜しむコメントを発表。金本と広島で同僚だった江藤打撃コーチは、グラウンドでテレビ局のカメラに囲まれた。同じく元同僚の川口投手総合コーチは「入ってきたときはポッキーみたいだったんだ。『オレより細いじゃねえか』って言ったのを覚えているよ」としみじみ。「けがに強く、大記録を達成して多くの選手に目標とされる存在になった。これからも引き続き野球界に尽くしてもらいたいね」と言葉を送った。
そうなると次なる視線は、どうしても今季が契約最終年のベテランの背中に集中する。だがそれを避けるように、小笠原は練習を終えると足早にロッカーへ駆け込んだ。
すると同僚ナインたちも小笠原を取り巻く異様な空気を感じ取り、ただちに“厳戒モード”を敷いた。「ソフトバンク・小久保さん、広島・石井琢さん、そして阪神・金本さん…。今年は2000安打を打った大物選手が続々と引退表明していますよね。最初はロッカーでも話題になっていたんですが…」。
声を潜めて打ち明けたナインはこうも続けた。
「誰かが『小笠原さんの耳に入ったら余計な気を使わせてしまう』と言ったので、それから一切、金本さんの話題は禁句になりました」
そんな同僚たちの“配慮”が実ったのか。この日の小笠原は4回に4か月半ぶりの安打となる右前打を放つなど、4打数2安打と結果を出した。
チームも笠原の好投もあって広島に連勝。原監督もホッとした表情で「ガッツはあれだけ安打を打っている人ではあるが、今日は新鮮で、また新たなスタートを切ったでしょう」と語った。
その小笠原は試合後、神妙な顔つきで口を開いた。久々の安打に関しては「出ないよりは出たほうがね」とサラリだったが、金本の引退については「残念としか言いようがない。見習うところばかりだった。少しでも近づけるように頑張っていきたい」。
言葉からは現役続行への強い意志が感じ取れた。とはいえ、巨人のユニホームを着続けられるかといえば、微妙なところ。小笠原の一挙手一投足が注目される日が、これからも続く。
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