沖縄・尖閣諸島:国有化 中国反日デモ拡大 「感情的対立、悲しい」友好団体関係者ら戸惑い
毎日新聞 2012年09月16日 大阪朝刊
「感情的な対立は悲しい」「政府レベルできちんと話をして」−−。日本政府による沖縄県・尖閣諸島の国有化を巡って中国で反日デモが急拡大した15日、日本で暮らす中国人や日中友好団体の関係者などからは、冷静な対応や事態の早期収拾を望む声が上がった。
中国語講座や太極拳講座などを開き、草の根レベルで日中交流を目指す「日中友好協会大阪府連合会」(大阪市北区)。事務局の澤野井公夫さん(69)は、「教師には中国人もいるが、みんな友好的で、メディアで報じられているような反日感情は抱いていない」と中国でのデモ拡大に戸惑う。
澤野井さんによると、08年に中国製冷凍ギョーザによる中毒事件が起きた時と同様、今回も中国語講座に来る生徒が減るなど、影響が出始めているが、約800人の会員や生徒の多くは冷静に受け止めている。澤野井さんは「『話せば分かる』という私たちの姿勢に変わりはない。草の根レベルで交流を続けたい」と話す。