国際【正論】参議院議員、元拉致問題担当相・中山恭子+(1/4ページ)(2012.9.17 03:19

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【正論】
参議院議員、元拉致問題担当相・中山恭子

2012.9.17 03:19 (1/4ページ)正論

 ■母の写真見つめたヘギョンさん

 10年前の今日、小泉純一郎首相訪朝による日朝首脳会談と、その結果を拉致被害者の家族に伝える様子を自宅のテレビで見ながら、日本政府は「また」同じことをやっている、と慨嘆していたことを思い出す。政府は、「5人生存、8人死亡、他は未入境」と北朝鮮側が言ってきたことを、事実確認もせずに各家族に個別に伝えていた。自国民の生死をも、相手国の言うがままに受け入れる姿勢は戦後日本外交の悲しい現実だ。

 ≪キルギス誘拐事件との相似性≫

 私は同じ2002年の8月、駐ウズベキスタン兼タジキスタン大使としての3年間の勤務を終え、帰国したばかりであった。着任早々の1999年8月、キルギスの山中で、日本人鉱山技師4人が、イスラム原理主義グループに拉致されるという事件が発生した。

 犯人グループは直後に日本人たちを連れて、隣国タジキスタンにある彼らの拠点に移動した。人質を救出するためには、確実な情報を持ち、犯人グループに影響力を持つタジキスタンとウズベキスタンの協力がどうしても必要だということは自明であった。

 ところがこの時、外務本省が打ち出したのは、戦後ずっと取られてきた外交方針と同様、「事件発生国キルギス政府に全てお任せする」というものであり、ウズベキスタンの日本大使館には「情報収集のみ」との指示であった。

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