原発再稼働「賛成42%」の衝撃
前出の櫻井よしこ氏はこう言う。
「原子力エネルギーと自然再生エネルギーの両方を見て、日本は両方の技術で世界をリードすべきです。ただ、太陽光発電で世界一のドイツは91年から買い取り制度に取り組み、太陽光の固定価格だけでも約10兆円もつぎ込みながら全電力の3%しか賄えていません。その限界ゆえにドイツ政府は太陽光電力の買い取りを価格、量双方で制限しました。他方原発は、最大の産油国、サウジアラビアが16基の原発建設を計画しています。米中韓露も強力に原発推進中です。人類はいま原発廃止でなく、原発と自然エネルギー両方を維持していくべきなのです」
ジャーナリストの徳岡孝夫氏は今回の調査結果について、「42%のサイレントマジョリティは存在する。そんなものでしょう」という。
「昔から反対派の論理のなかではいつも被害者が全権を握っている。戦争で両親を亡くした沖縄の人は、父母がサトウキビ畑で『ざわわ、ざわわ』とないていると訴える。広島の被爆者を連れてこられて『これを見ろ』といわれたら何もいえない。福島で家を追い出されて帰れない人々に『この気持ちがわかるか』と聞かれても気の毒だけれどわからない。しかし常に被害者の正義でしか動かないこの国は果たして健康なのか。こう言うと総攻撃を受けるか笑われるかですが、私はおかしいと思う」
今回集まった、決して声高に語られることのない賛成派の声。「再稼働」に脊髄反射的に反発するだけではなく、こうした声に耳を傾ける意義はある。
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