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原発再稼働「賛成42%」の衝撃

 福島からの声も届いた。

「私は事故を起こした福島原発から直線距離で75キロのところに住んでいる、原発事故県民です。いざ原発が事故にあっても周辺住民は補償金をたくさんもらえます。しかし、半径50キロを超えた範囲の住民はなんの補償ももらえません。自分の土地も家も放射能で汚染されて、なんの補償も謝罪も受けられません。原発の恩恵を何も受けずに最大の被害を受けるということを声を大にして訴えていきたいです」(女・33・福島)

 福島県の再稼働賛成率は30%と、前出の福井県と同様に全国でも低かった。

 17年前の阪神大震災の被災者はこう振り返る。

「人間がいくら備えて小細工をしていても、悲しい事にどうにもならない事もあるのです。自分も阪神・淡路大震災でエライ目にあったので、もう『そういう物』なんだと思うようになりました。予測不能な災害の為に怯えて切り詰めて暮らすより、前向きに復興・医療活動など必要な時は稼働する、代替エネルギーでまかなえるなら順次停止する、と言った具合に、全稼働か全停止かではなくもっと臨機応変に対応して欲しいです」(男・25・兵庫)

 そして、大阪在住の原発関係者はこう訴える。

42%のサイレントマジョリティ

「反対派の過激な行動を見ると、今の状況で原発が稼働することは原発関係者として身の危険を感じる。

 過去に、子供が通っていた小学校で、音楽の先生が『原発あるまじき』といった替え歌を、あろう事か音楽の時間に教え、あわやクラス全体からいじめに遭う寸前まで行ったことや、会社名を言っただけで、マンション賃貸を断られたとか、特に大阪南部の実態は、会社名すら表に出せない状況がある。

 そんな教育の中で育ってきている人々が原発反対を唱えている間は、本当に関係者としては危険を感じながら日々を送っている次第です」(男・53・大阪)

 じつは大阪の賛成票は、49%と全国でもトップクラス。“原発あるまじき”の空気のなか、こうした言論は封殺されているのだろうか。

【次ページ】 「そんなものでしょう」

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