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政治
【土・日曜日に書く】ワシントン支局長・佐々木類 オスプレイで尖閣視察を
一連の反日行為の背景には「中国国内の権力闘争がある」と専門家が言い、だからこちらも目くじらを立てる必要はないと講釈していた。日の丸が奪われ、在留邦人が被害を受けたのは事実だ。自分を殴った相手をしたり顔でかばうのは戦後GHQ(連合国軍総司令部)にすり込まれた自虐的な贖罪(しょくざい)意識のなせる業か。盗人に追い銭を渡すような日本からの報道に強い違和感を覚えた。
実効支配を強化せよ
トンチンカンな専門家の講釈もそうだが、野田政権による「毅然(きぜん)とした対応」という、空虚なフレーズも聞き飽きた。尖閣諸島に不法上陸し、海上保安庁の巡視船にレンガを投げつけた犯罪者を裁判にかけず航空機で“お見送り”するのが「毅然とした対応」とでもいうのか。そんなお人よしだから欧米メディアも悪乗りする。
米紙ウォールストリート・ジャーナルは中国人の不法上陸に憤る日本国内を「ナショナリストの影響力が強まる」とし、ロイター通信はこの中国人を「活動家」と報じ、慰霊祭の際に上陸した都議をナショナリストと書いた。では、米大統領選で星条旗を振る高齢の女性はナショナリストなのか。反日に筆を振るう在京の中国、韓国人記者は、彼らにとって都合の良いことばかりを言う「良識的な」日本人がどれだけいるか、街に出て自らの足で確かめてみるがいい。
米国は尖閣諸島に安保条約を適用する。実効支配を静かに着実に強化するのは今をおいてない。事なかれは乱暴者の冒険心をくすぐるだけだ。21世紀の北洋艦隊が怖くて船だまりが造れないなら、次期首相はせめて、離島防衛の切り札、米軍の垂直離着陸輸送機「オスプレイ」で空から尖閣諸島を視察すべきである。(ささき るい)
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