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政治
【櫻井よしこ 野田首相に申す】領土問題は正念場
外務省、日本国領有の痕跡を消し去るべきという考えも
尖閣、国防、原発、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)など、日本国にとって喫緊かつ根本的問題のすべてで野田佳彦首相は敗北を重ねつつある。
尖閣諸島を国有化しても、「平穏かつ安定的な維持」のためと称して、島の現状を保ち、日本国領有の実態を強化する船だまりや灯台を整備しないのでは、何のために税で島を買ったのかと問わなければならない。
政府は長年尖閣諸島を賃借して、国民の上陸を禁止し、島々を放置した。言葉だけの実効支配の隙に中国が付け入ったのは当然だ。付け入る中国よりも、あるいは北方領土に付け入るロシアや竹島に付け入る韓国よりも、付け入らせる隙を作った日本が悪い。その愚をいま、政府全体で繰り返そうというのか。
石原慎太郎都知事はもはや国家といえないこの惨状を正すべく立ち上がった。約15億円の寄付は、都知事と国民の心がひとつになったことの証しである。
当初、石原知事の思いに前向きだった首相に、岡田克也副総理および玄葉光一郎外相以下外務省が、船だまりや灯台はもとより、島の国有化さえも中国の怒りを買うとして怖(お)じ気(け)づき、圧力をかけた。
外務省内には中国を恐れるあまり、魚釣島に残されている日本国領有の痕跡を消し去るべきだという信じ難い考えさえあったという。たとえ国土を奪われようとも中国の怒りを買わず摩擦回避を旨とする岡田、玄葉両氏、外務省の説得に屈した野田首相も同罪である。
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