飼育員2人がヒグマに襲われ、死亡した秋田八幡平クマ牧場。元経営者はこれまで、敷地内に死んだクマを埋めていた=秋田県鹿角市八幡平、秋田朝日放送提供 |
秋田八幡平クマ牧場(秋田県鹿角市)で女性飼育員がヒグマに襲われ死亡した事故で、牧場に残る27頭のクマの扱いをめぐって秋田県が頭を悩ませている。経営者が不在となり、県が引受先を探しているものの見つからず、殺処分には「秋田のイメージを損なう」と否定的な意見も根強い。
牧場には現在、ヒグマ21頭、ツキノワグマ6頭が残されている。26日に開かれた県議会では、クマの殺処分について「秋田県のイメージを考えると薬殺はできない」「(薬殺を)やったら、観光キャンペーンなどが吹っ飛ぶ」と否定的な意見が相次いだ。
元経営者の男(68)は今月9日、業務上過失致死容疑で逮捕。県によると、職員が5月末に牧場を立ち入り検査した際、男は「6月以降、えさを3分の1くらいに減らし、(クマ同士の)抗争による自然淘汰(とうた)を考えている」「最後に残ったクマは2週間ぐらい絶食させれば動けなくなる」などと説明したという。凍死やけがで死んだクマについては、「牧場内のある場所に埋めた」とも話していたという。