韓国政府は14日、一部の官公庁の世宗(セジョン)市への引っ越し作業を始めた。世宗はソウルの南120キロに新たにつくった行政都市で、首都への一極集中の緩和を目指す。2014年末までに36の官公庁と関連機関(職員1万人超)が移る計画だ。
この日、移転を始めたのは国務総理(首相)室。年内には企画財政省や環境省なども移る予定になっている。大統領府や外交通商省などはソウルに残る。
新たな「行政首都」づくりは故盧武鉉(ノムヒョン)大統領が10年前の大統領選で公約に掲げた。李明博(イミョンバク)大統領は09年に計画撤回を表明したが、次期大統領の座をうかがう朴槿恵(パククネ)氏が反対。曲折を経て首都機能を分散させることになった。(ソウル=中野晃)