駐中日本大使に任命されたばかりの西宮伸一・前外務審議官(60)=写真=が13日午前、東京都内で倒れ、意識不明の重体に陥った、と共同通信が報じた。西宮氏はこの日午前8時46分ごろ、東京都渋谷区の高級住宅街の歩道で突然倒れ、通行人からの通報を受けて出動した救急隊員が現場で心臓マッサージを施した後、病院に搬送した。警察庁は「外傷や襲われた痕跡がない点から考えて、病気のため倒れたものとみられる」と説明した。
西宮氏は脳出血のため倒れたとみられ、現在のところ意識を回復していないという。今月11日に次期駐中大使に任命された西宮氏は、来月中に現地に赴任する予定だった。
西宮氏は1976年に外務省に入省し、北米局長などを務め、米国や中国に厚い人脈を築いた。今月10日まで、経済担当の外務審議官(次官級)として、環太平洋経済連携協定(TPP)をめぐる交渉や、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の準備に携わってきた。
今月9日、ロシアのウラジオストクで、野田佳彦首相と中国の胡錦濤国家主席が非公式の会合に臨んだ際にも同席していた。
日本政府は今月11日午前に行った閣議で、駐韓・駐中・駐米大使を交代する人事を断行していた。