解決が難しいからこそ、現在の中国指導部は内政上の批判を受けないよう強い態度を取り、デモも容認している。
北京の米国大使館に群衆が生卵を投げる――。99年5月に見た光景だ。ユーゴスラビアの中国大使館を米軍機が誤爆し3人が死亡。大学生中心の数万人規模のデモ隊が米大使館を囲んだ。当時は北京の大学の学生組織と当局が組んで計画的にバスで学生を大使館街に投入。統制が難しくなると当時、国家副主席だった胡錦濤氏がテレビ演説で「愛国的な行動を支持するが、過激な行動は自制すべきだ」と冷静な対応を呼びかけ、デモはピタリと止まった。
今回のデモは今のところ、組織的に学生を投入する様子はない。北京大学などは学生にデモに参加しないよう求めており、大学名を明示した横断幕はない。ネット上の呼びかけに応じた20代後半~30代の若者の参加が多いのが特徴だ。
99年に数百万人にすぎなかったネット人口は今や5億人以上。政府の統制は利きにくい。15日朝には激高したデモ隊と武装警察が衝突し、一時不穏な空気が流れた。今後コントロール不能になった場合、2週間ぶりに復活した「病み上がり」ともいわれる習近平国家副主席が99年の胡氏のように国民に冷静さを呼びかける役回りを演じるかもしれない。
丹羽宇一郎、胡錦濤、中国、警察、習近平
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