再生の原風景 渡良瀬
ラムサール条約への登録候補地、渡良瀬遊水地の魅力を写真で紹介
【経済】大量消費脱却で可能 CO2の削減と経済成長両立政府が十四日に決めた原発ゼロ目標に対し、二酸化炭素(CO2)排出量の増加につながるという指摘がある。原油や石炭を燃やす火力発電で電力を補うことになるためで、日本が中心となった京都議定書など地球温暖化対策に逆行するのではないか、という意見だ。だが、原発ゼロでも経済成長とCO2削減を両立できるという識者もいる。それにはエネルギーの大量消費社会を日本全体で変えることが必要になる。 (吉田通夫) 原発を推進してきた経済産業省は、原発をゼロにすると二〇三〇年のCO2排出量が一九九〇年比で16%減にとどまると主張。鳩山由紀夫元首相が国連演説で表明した25%減を下回り、「国際的に(CO2削減への)野心が低いと非難される恐れがある」と抵抗した。 これに対し、京都大の植田和弘教授(環境経済学)は、経産省の試算が「社会や産業の変化を考慮していない」と指摘する。日本の産業政策が「いまだに鉄鋼などエネルギーを大量消費する産業に重きを置いている」からだ。 すでに脱原発を掲げたドイツは、再生可能エネルギーの関連産業に力を入れることで、一九九〇〜二〇一〇年の二十年間のCO2排出量を20%超も減らしながら、実質国内総生産(GDP)を30%引き上げた。 環境省も再生可能エネルギー活用に積極投資すれば、原発ゼロでも二〇三〇年に35%削減を実現できると試算している。 企業や家庭は東日本大震災を機に、電気の使い方を変え始めた。震災後、二回の夏も電力会社の想定以上の節電で乗り切った。 国民の意識改革に植田教授は「今を歴史的転換期ととらえ、省エネ関連など消費エネルギーの小さな分野の成長を促し産業構造を改革すれば、原発に頼らずに経済成長とCO2削減を両立できる」と強調。「既存企業を守るために、自然エネルギーなど将来の成長が見込まれる産業を犠牲にしてはならない」と訴えている。 PR情報
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