経産省の結城課長補佐は、こう説明する。
「電気用品安全法は、あくまでエアコンやテレビなど、家電そのものの機能を制限している法律です。一方、『HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム=ヘムス)』のような家電の制御システムは電気用品安全法の対象ではありません」
要するに、家電の遠隔制御は家電の一部機能だと規制対象になるが、別売りのシステムだと規制対象ではない、という説明だ。ちなみに「スマートホーム」の中核技術ともいえるHEMSは製品安全課ではなく、情報経済課の担当。電気用品安全法のような法整備はなされていない。
説明は明快だが、お役所らしい縦割りの論理に釈然としないものを感じる。これでいいのか。「当然、我々もこのままでいいとは思っていない」と結城課長補佐は語り始めた。
■電気用品安全法は規制緩和、HEMSは法整備へ
「近年はデジタル家電が普及しており、日本の家電業界もハイテクで勝負していかないといけない。電気用品安全法やその基準はアナログ時代に制定されたもの。スマホの普及も踏まえて適正に見直していこうということで、昨年から家電業界に問題意識を提起し、今年5月から検討を開始していたところでした。だからこそ、パナソニックさんも含め家電業界で問題点を共有していた最中のXシリーズの発表に、我々も驚いた次第です」
「我々は決して日本のビジネスチャンスを引っ張るつもりはない。安全かつ、快適な家電をという大原則にのっとり、本年度中には答えを出したいと思っています。一方で、HEMSなど家電の制御システムとの関係性も整理したい。こちらは逆に定めが必要なのではないかと検討しているところで、情報経済課と連携しながら経産省として一体となって取り組んでいます」
「規制は緩和されるのか?」。問うと結城課長補佐は、「その方向」と明言した。Xシリーズは「早すぎた」スマート家電だったということか。だが、日本の電機産業を巡る厳しい競争環境を考えると、時代遅れの規制や矛盾を取り払うだけでは不十分。規制緩和は新たな時代のスタートラインに立つ条件に過ぎず、それ以上の政策や戦略が求められている。
(電子報道部 井上理)
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