「こちら経産省ですけれど、今日発表されたエアコンについて、詳しく聞かせてほしいのですが」。聞けば、エアコンの電源を本体のスイッチ、またはリモコン以外の遠隔操作でオンにすることは、「電気用品安全法」において「違法」とされているのだという。
家電による火災事故などを防ぐために定められている電気用品安全法。1962年、この技術基準を定める「省令」が当時の通産省から公布された。同省令にはこうある。
「遠隔操作機構を有するものにあっては、器体スイッチ又はコントローラーの操作以外によっては、電源回路の閉路を行えないものであること。ただし、危険が生ずるおそれのないものにあっては、この限りでない」
この「解釈」をパナソニックは見誤った。
■パナソニックはNO、ドコモはOK?
パナソニックは一連の経緯をこう説明する。「従来からタイマーオンの機能はあり、安全設計はきっちりとやっている。遠隔操作機能があっても火災や感電の恐れはなく、安全性に問題はないという判断でした。我々は安全だと思っていますけれども、法律上どうだというのは管轄している監督官庁の基準になってきますので……。総合的に考えた結果です」(広報)
危険が生ずるおそれはない、と主張しながらも、あっさりと規制に屈したパナソニック。ネット上では「なぜパナソニックは闘わないのか」「スマート家電の終焉w」と酷評するコメントが飛び交う一方で、「自国の家電業界を省庁が潰すのか」「日本のイノベーションが削(そ)がれている」などと監督官庁である経産省にも矛先が向いた。
確かに、これではいくらスマート家電の旗印を掲げたところで一向に先へと進めない。さらに不可思議なことがある。すでに世の中には家電を外部からコントロールできるシステムがいくつも存在しているという事実だ。
例えばNTTドコモは、携帯電話から家電の電源を制御できる「ケータイホームシステム」を法人向けに外販している。
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