中国各地で反日デモ 相次ぎ暴徒化9月15日 19時17分
政府が沖縄県の尖閣諸島を国有化したあと初めての週末となる15日、中国では、分かっているだけで50を超す都市で反日デモが起きました。
中国で1日にこれだけの数の都市で反日デモが行われるのは極めて異例で、首都北京では日本大使館の敷地に突入しようとした参加者が警察官と衝突するなど、各地で暴徒化しました。
日本政府が尖閣諸島を国有化したあと、初めての週末となる15日、中国各地で大規模な反日デモが行われました。
このうち北京の日本大使館の前では、15日朝から反日デモが始まり、最も多い時には数千人が集まり、「島は中国のものだ」という横断幕を掲げ、抗議活動が行われました。
参加者は大使館の敷地に卵やペットボトルを投げ入れましたが、警察官は制止しませんでした。
さらに、デモの開始からおよそ1時間半後には、参加者の一部が大使館の敷地に突入しようとし、警備に当たっていた武装した警察官と衝突しました。
抗議の動きは、開始から9時間たった日本時間の15日午後6時現在も続いていますが、警察のコントロールのもとで行われているということです。
また山東省の青島では、15日午前、日系スーパーの「ジャスコ黄島店」の前でデモに参加していた若者らおよそ150人が店内に侵入して5時間にわたって居座り、鉄パイプでガラス窓を割ったり商品を略奪したりしました。
内陸部の都市、湖南省の長沙でも、15日午前、暴徒化した大勢の若者が、日系の百貨店「平和堂」の正面入口のガラスを鉄パイプで割って侵入したり、看板を取り外して燃やしたりして破壊しました。さらに、南部の広東省東莞や東部の江蘇省蘇州では、日本料理店に暴徒が侵入し、窓ガラスを割ったり、机や椅子をひっくり返したりしました。
内陸部の都市、陝西省の西安でも、路上に止めてあった日本車がひっくり返されたり、窓ガラスが割られたりし、反日デモは各地で暴徒化しました。
50超の都市で反日デモ
分かっているだけで、15日は中国国内の50を超す都市で反日デモが起きており、1日でこれだけの数の都市で反日デモが行われるのは、極めて異例です。
日本大使館は、これまでのところ、15日の反日デモで日本人が被害を受けたという情報は入っていないとしています。
日本大使館は中国政府に対し、14日、中国に滞在する日本人や日系企業の安全確保について万全の対応をとるよう要請していましたが、15日の事態を受けて、現地の日本人社会の間には不安が広がっています。
尖閣諸島国有化で反発強まる
中国では、香港の活動家らが沖縄県の尖閣諸島に上陸して逮捕される事件の起きた先月15日以降、日本に対する抗議活動が中国各地に広がりました。
先月19日には、少なくとも24の都市で抗議活動が行われ、南部広東省の深セン※では、一部の参加者が日本車の警察車両をひっくり返したり、日本料理店が入ったビルのガラスを割ったりするなどして暴徒化しました。
その後、抗議活動はほぼ収まりました。
しかし、先月27日には、中国駐在の丹羽大使の乗った公用車から日本の国旗が奪い取られる事件があり、国旗を奪ったとして処分された男らは「現在の日中関係に不満を持ち行為に及んだ」と述べて、尖閣諸島をめぐる日本への反発が犯行の動機となったことをうかがわせています。
さらに、その後、今月11日に日本政府が尖閣諸島を国有化すると、中国国内で再び反発が強まり、北京の日本大使館前では、連日、抗議活動が行われているほか、上海などでも日本への抗議活動が続き、反日感情は急速に高まっています。一方、先月19日に広東省の深センで行われたデモの参加者のうち4人について、地元の新聞は、日本車を壊した疑いで逮捕する許可が出されたと伝えています。
※深センのセンは「土へん」に「川」。
▽ 政府 中国に邦人の安全確保求める (9月15日 19時17分)
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