東京・六本木の六本木ヒルズ。9月10日から「パナソニック スマート家電ウィーク」と銘打たれたイベントが開催されていた。パナソニックの最新家電が展示され、多数のプレゼントやトークライブが花を添える。「スマート家電」を大々的にピーアールするキャンペーンだが、心なしか盛り上がりに欠けていた。何しろ目玉商品の目玉機能に、行政から物言いがついたのだから。
同イベントは六本木ヒルズのほか、表参道ヒルズやお台場ヴィーナスフォートなど都内4カ所で17日まで開催。中でも8月に発表し、10月に発売予定の新型エアコン「Xシリーズ」は、外出先からスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)で遠隔操作ができるとあって、イベントの目玉となるはずだった。ところがイベント最中の12日、水を差すような発表がパナソニックからなされた。
■中途半端なスマホ連携機能に
「8月21日発表のルームエアコン『Xシリーズ』ニュースリリースの内容について、一部を次の通り変更させていただきます。ご迷惑をお掛けいたしますことを深くお詫(わ)び申し上げます」「スマート アプリ機能から『運転オン』に至る可能性のある『どこでもリモコン』機能、『myエアコン設定』機能を削除いたします」――。
Xシリーズ最大の特徴はスマホとの連携機能。別売りの無線機器を購入し、米アップルのスマホ「iPhone(アイフォーン)」や米グーグルのOS(基本ソフト)「アンドロイド」を搭載したスマホ端末に専用アプリをインストールすれば、外出先からでも電源のオンオフが可能になる。1カ月先までタイマー予約ができる「カレンダー予約」や、2つの温度の範囲で室温をキープする「ダブル温度設定」も売りだった。しかし、これらはすべて仕様から「削除」された。
残った機能は、スマホからの「電源オフ」、スマホで電気代などを確認できる「エコ情報」など中途半端なものに。イベント会場にいたパナソニック社員はこう話す。「イベント直前にエアコンの説明パネルを急きょ作り直したりと、もうバタバタでした……」
きっかけは、経済産業省からの1本の電話だった。
■法令の解釈を見誤ったパナソニック
話は8月21日にさかのぼる。この日、家電復活に向けスマート家電戦略を推し進めるパナソニックは、満を持してエアコンの最上位機種、Xシリーズを発表した。
説明会は盛況に終わり、「スマホでエアコン操作」など多くの記事や番組で紹介された。安堵の空気に包まれるパナソニック。しかし同じ日、経産省で家電製品の安全対策などを担当する製品安全課からかかってきた電話が、その空気を暗転させることになる。
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東京・六本木の六本木ヒルズ。9月10日から「パナソニック スマート家電ウィーク」と銘打たれたイベントが開催されていた。パナソニックの最新家電が展示され、多数のプレゼントやトークライブが花を添える。「…続き (9/16)
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