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【国際】

トヨタ、日産店舗襲う 中国の反日デモ、最大規模

2012年9月16日 02時13分

 【北京=渡部圭、佐藤大、上海=今村太郎】沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)の国有化に抗議し、中国各地の主な50都市以上で15日、反日デモが行われ、少なくとも計8万人が参加した。邦人被害は確認されていないが、山東省青島市でトヨタ車の販売店やパナソニックなど約10社が放火されるなど、日系の企業や店舗が各地で破壊や略奪の被害を受けた。

 一日あたりの都市数や人数では、歴史問題などを理由にした2005年のデモを超え、1972(昭和47)年の日中国交正常化以来、最大規模とみられる。今月末の国交正常化40周年を前に関係改善が急がれる。

 日本大使館などによると、青島市ではデモに2、3万人が参加し、暴徒化した一部が開発区の日本企業を襲った。スーパー「ジャスコ黄島店」に暴徒が乱入。トヨタのほか、日産の自動車販売店も放火された。湖南省長沙市でも、百貨店「平和堂」の2店舗が被害に遭った。同店はデモを警戒して休業していたが、店舗前の広場に集結していた一部が入り口を破壊し、侵入して商品を奪った。

 江蘇省蘇州市のスーパー「蘇州泉屋百貨」にも、暴徒化したデモ隊が乱入。同日午後2時半ごろ、鉄パイプで入り口のガラス戸を破壊し、宝飾品のディスプレーをたたき割り、略奪もあった。同店の竹中稔総経理は「一部の若者が暴徒化した。蘇州は日系企業も多く、親日的と感じていたのに」と衝撃を受けていた。日本人向け歓楽街でも、料理店が壊滅的に破壊された。四川省成都市でも14日夜、暴徒化したデモ参加者が「セブン−イレブン」など日系の3店舗を襲撃。レジを破壊し、商品を奪った。

 北京の日本大使館前のデモは午前8時半から午後6時まで続いた。大使館正面の日本国旗は、投げられた物で汚されたため降ろされた。デモ隊の一部は警察官の制止を押し切って暴徒化。警備中の武装警察官が負傷した。

 インターネット上では、これらの略奪した物を自慢する書き込みがある一方、「犯罪行為だ」「中国の恥だ」との批判も上がっている。16日と、満州事変の発端となった1931年の柳条湖事件から81年にあたる18日も、数十都市でデモが呼び掛けられており、反日活動は激化しそうだ。

(中日新聞)

 

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