大関日馬富士(28=伊勢ヶ浜)の綱取りに不安材料が噴出している。秋場所4日目、日馬富士は幕内魁聖(25=友綱)を上手出し投げで一蹴。3度目の横綱挑戦で初めて4連勝と勢いに乗り始めた。一方、この日から把瑠都(27=尾上)と琴奨菊(28=佐渡ヶ嶽)の2大関が休場。このことが“逆風”になり得ることに加え、角界内では全勝優勝後の綱取り場所の危険性が指摘されている。
2大関が休場になったことで、取組編成上は日馬富士の大関戦が2番減り、代わりに平幕戦が増える。一見すると明らかな「追い風」。ところが、実際は全く逆だという。
玉ノ井親方(35=元大関栃東)は「平幕の力士の方がやりづらい。大関同士は毎場所対戦があるから、相手の手の内が分かる。平幕は何をしてくるか分からない」。北の湖理事長(59=元横綱)も「勝手を知らない力士が来た方が怖い」と指摘した。
大関同士であれば相手の出方を比較的予想しやすい上、立ち合いで変化してくる可能性も低い。一方で平幕は、あらゆる手を使って、なりふり構わず勝ちにくる。今場所の横綱昇進の目安は「13勝以上」とされているが、平幕を相手に星を落とせば印象は悪くなる。平幕戦の黒星が“致命傷”になりかねないのだ。
別の不安材料も指摘されている。日馬富士が名古屋場所で全勝優勝したことが、綱取りの足かせになる可能性があるのだ。全勝優勝しながら、横綱になれなかった大関が1人だけいる。元若嶋津の松ヶ根親方(55)だ。1984年名古屋場所で全勝優勝し、次の秋場所で2度目の綱取りに挑んだ。終盤まで優勝争いに加わったが、平幕の小錦と多賀竜(現鏡山親方)に敗れたのが響いてV逸。11勝止まりで綱の夢を絶たれた。
その松ヶ根親方は「全勝優勝したことで『横綱になりたい』という気持ちが強くなりすぎてしまった。周りが(自分を)見る目も違うし、雰囲気も変わってくる。日馬富士も眠れなくなるんじゃないか」。全勝優勝したことで横綱への欲が強まると同時に、周囲も「横綱に上がれて当然」というムードを醸し出す。緊張と疲労がピークに達した時の平幕戦が最も危険という見方もできる。
日馬富士は「相手が誰でもベストを尽くす」と強調しているが…。思わぬ“落とし穴”を避けられるのか。
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