C大阪−名古屋 前半38分、FKで先制点を決め喜ぶ名古屋・田口(右)。左は闘莉王=長居陸上競技場で(佐伯友章撮影)
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名古屋グランパスは前半にMF田口が先制ゴール、後半もFWケネディが加点し、C大阪に2−0で快勝。3連勝で勝ち点を41とし、5位に浮上した。1、2位の直接対決は広島が仙台を2−1で振り切り、同47で首位に返り咲いた。仙台は同45で2位に後退。横浜Mに2−1で逆転勝ちした浦和が勝ち点で仙台と並び得失点差で3位の混戦となった。磐田は神戸に逆転勝ちし、同41で4位。
◆名古屋2−0C大阪
激しい雷雨でキックオフが1時間以上遅れるという波乱含みで始まった一戦。勝利をたぐり寄せたのは新フリーキッカーの頭脳的なゴールだ。前半38分、ペナルティーエリア左の角度のない地点からのフリーキック。田口は「ピッチはスリッピー。直接ゴールへ滑っていくようなボールを蹴ろうと。蹴る前に闘さん(闘莉王)にそのことを伝えていた」。
田口が地をはうようなキックを放ち、ニアに飛び込んだ闘莉王が絶妙なスルー。裏をかかれたGKを置き去りに、ボールはゴールへ突き刺さった。「狙い通りと言えば狙い通り」と田口。あうんの呼吸で生んだ決勝ゴールに喜びがはじけた。
前節まで主に左サイドでキッカーを務めていたMF小川はC大阪戦ではベンチスタート。Jリーグで初めてキッカーを任された田口が、いきなりのゴールだ。「フリーキックにはあまり自信がないですけど」と田口は苦笑いした。
C大阪には「実はバリバリ意識していた」と田口が明かすライバルがいた。同じボランチのポジションでロンドン五輪に出場した山口蛍と扇原貴宏だ。同世代で、かつては世代別の代表などでチームメート。「負けたくないと思った」
ロンドン五輪で名を上げた2人に対し、今回は田口が個人としてもチームとして完勝した。扇原は「田口さんは相変わらず危険な場所を察知するセンスがある。ボールをさばくのもうまい」と素直に白旗を揚げた。
チームは今季初の3連勝で5位に浮上。次節では首位広島との直接対決を迎える。「ウチは一つも負けられない」と田口。新しい司令塔に率いられたグランパスが、最高の勢いで天王山に臨む。 (木村尚公)
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