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第3次アーミテージ=ナイ報告書を読む 1/8

吉崎達彦(かんべえ)

2012年09月09日 18:09

2000年秋の第1号、そして2007年春に第2号が出た「アーミテージ=ナイ報告書」は、日米関係に重要な役割を果たしたことで知られています。米国の知日派人脈が超党派で作ったこの提言は、「日米関係のバイブル」と呼ばれたし、「政策提言が政治を動かす」お手本でもありました。これらを紹介した本誌にとっても懐かしい存在です。

さて、猛暑のさ中の8月15日、ワシントンのシンクタンクCSISにおいて、このたび同報告書の第3弾(アーミテージⅢ)が公表されました。第1号の時と同様に、大統領選挙に合わせたタイミングで、米側知日派人脈の問題意識がよく分かる内容です。今回のポイントは、①原子力・エネルギー、②韓国との歴史問題、③日米同盟再定義、の3点だと思います。さて、日本側はどうこれに応えるべきなのでしょうか。

●日本外交は”Tier-One”足り得るか?

今回の報告書は”The U.S.-Japan Alliance –Anchoring Stability in Asia”は、8月15日にCSISで発表されている1。原文はもちろんのこと、公式発表の様子が事細かにビデオクリップで見ることができるので、なんとも便利な世の中になったものである。

隆々たる体躯のリチャード・アーミテージ座長が、冒頭「日本は一流国家(Tier-One Nation)たるつもりがあるのか。そうでないのなら、この提言は閉じて、読む必要はない」(7分頃)と言うところで、思わずギクリとさせられる。Tier-One Nationとは、十分な経済力と軍事力を有し、グローバルなビジョンを持ち、指導的な役割を担う国を意味する。米国はもちろん堂々たるTier-Oneだが、日本はどうなのか。決めるのは日本人自身だが、そのつもりがあるのなら一緒にやろう。これが本報告書の主要なメッセージである。

※1 http://csis.org/event/us-japan-alliance-anchoring-stability-asia

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双日総合研究所取締役副所長・同主任エコノミスト。

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