英ハリー王子、中国訪問の可能性も―英中関係改善は期待薄

　英国のハリー王子が、英外務省の要請により、最近多くのトラブルを抱えている英中関係改善のため、間もなく中国を初訪問する可能性が浮上している。

　英中間の緊張が高まっているのは、亡命中のチベットの精神的指導者として中国が国家の敵とみなしているダライ・ラマ氏とデービッド・キャメロン英首相が5月に会見したこと、また、英国人ビジネスマン、ニール・ヘイウッド氏が、中国の政治家・薄熙来氏の妻である谷開来に殺害された事件による。

27歳のハリー王子は英陸軍航空隊の少尉として4か月の予定でアフガニスタンに派遣されたばかりで、今の任務からの帰路、中国を訪問すると見られる。

英王室の著名な一員として、ハリー王子は、国際関係の発展と英国の利益伸長のための有望な「大使」と考えられている。

しかしハリー王子は、ラスベガスでの休暇中の全裸写真がインターネットに流出して王室を困惑させるという事件も起こしている。中国訪問によって、プレイボーイというレッテルでちょっと翳った評判を回復することが期待されているのだろう。

同時に、ハリー王子の若く飾り気のない人柄は、王室に好ましい印象を与えており、それは今年初めに行われたブラジル・カリブへの初の外交訪問でも有益であることが証明された。

デイリー・テレグラフ紙によれば、ブラジルでは、王子の存在は「電撃的」で「1000人の政治家に匹敵するインパクトがある」と英国のジェレミー・ハント文化担当閣内相（当時）が述べたという。訪問期間中に王子は、チャリティのポロや、リオデジャネイロの子供たちとのクリケットの試合に加わったり、ブラジルの有名人に会ったりした。またジャマイカでは、世界最速の短距離走者ウサイン・ボルトとのレースに挑み、ブルー・スエード・シューズを履いてボブ・マーリーを踊った。

ハリー王子は、彼の若いエネルギーを通わせる快活な活動に取り組むのがうまく、それによって優れた外交官になれるということを、この最初の外交訪問で証明したわけだ。

中国では、最近の外交関係を考慮するとかなり緊張した状況に置かれるかも知れず、どういう事態が待ち受けているのか不透明だ。

中国外相は国連難民高等弁務官事務所（ＵＮＨＣＲ）の報告書で、キャメロン英首相のダライ・ラマ氏との面会は「中英関係を傷つけ」「我が国の内政問題に深く介入した」と述べた。