14日、尖閣諸島(中国名:釣魚島)周辺の日本の領海に中国の海洋監視船6隻が一度に侵入したが、海上保安庁の巡視船は、領海からの退去を無線で要求しながら警戒航行するにとどまった。
藤村修官房長官は14日の記者会見で、記者から中国政府の意図について尋ねられが、中国を刺激しないように回答を避けた。日本は、韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領が独島(日本名:竹島)を訪問した際には強硬に対応したが、中国に対しては一貫して冷静な対応を見せている。これは、実効支配している尖閣諸島で衝突が発生した場合、尖閣を紛争地域化しようとする中国側の戦略に巻き込まれかねないと見ているからだ。また、両国間で何らかの衝突が発生した場合、中国の報復措置が拡大することも懸念している。日本は2010年、海上保安庁の巡視船と中国の漁船が衝突する事件が起きた際、中国漁船の船長を逮捕したが、レアアース(希土類)の輸出制限、中国に駐在する日本の商社員の身柄拘束といった報復措置を受け、白旗を揚げた経験がある。
日本の各メディアは、中国の海洋監視船による尖閣出動を、おおむね事実関係だけに絞って報じた。日本国民も、反中集会のような直接的な反応は示さなかった。
しかし、年内実施が有力視される総選挙で政権獲得が確実とみられる自民党では、総裁選に出馬した石原伸晃幹事長、安倍晋三元首相など5候補全員が、中国に対する強硬な対応を公約に掲げている。