2012.9.14 16:17

中村憲剛コラム ユナイテッド香川に思うこと(2/3ページ)

 そして、真司が入ったことでユナイテッドのスタイルは変わるのではと思っています。ユナイテッドは今までの4-4-2のスタイルと、新しい4-2-3-1のスタイルがあり、真司を中央に置いてショートパスで押し込んでいく新しい形に変わろうとしています。過去にユナイテッドがチャンピオンズリーグ決勝で2回バルサにやられて、去年もマンチェスターCに得点数が及ばずに優勝を逃したし、それらの結果が何かのきっかけになっているのではと思います。

 ただ、特にペナルティーエリアの両脇のところで、クロスを上げたいんだろうなと思わせる選手もいますね。だけど真司は中央からヘディングで勝負するタイプじゃないから、ウイングの彼らに近寄るんだけど、特にナニの場合は“そこじゃない”みたいな感じのボールの持ち直し方をしている様子が見受けられます。ユナイテッドがどちらを取っていくのかなという興味はありますね。

 もちろん、選手同士で“スタイルが合う、合わない”といっても、結局は監督がすべてです。選手がそれに合わせるか合わせないか、それだけのことです。試合に出たかったら合わせるし、監督のスタイルに合わせないのならクラブを出て行くしかありません。

 プロですからね。この世界は。そういうのが当たり前だと思うんですよ。僕は日本代表を含めて何人かの監督の下でプレーしましたが、まずは監督が何を求めているのかをすごく観察するし、何をしたいのか、チームのやるべきことをまず理解してやっていくことで、それから自分の色を出す。それが普通なのかなと僕は思います。

 能力があれば、誰が監督でも関係なく試合に出られる選手もいるかもしれません。だから、そういう状況ではないとき、つまり絶対的な存在でないときは、チームの中でやるべきことを考えて合わせます。最初からスタイルが合わないと不満を言うのは、選手のタイプにもよるけど、僕自身は怠 慢ではないかと思います。あるいはクラブを出て行くしかない。

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