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超新星爆発でX線放出の謎解明
9月15日 5時17分

恒星が大爆発を起こす「超新星爆発」のあとに放出される強いX線は、爆風と宇宙空間にある水素ガスの衝突で発生したとする研究結果を名古屋大学の研究チームが発表し、「太陽系や宇宙の進化を解き明かすうえで重要な手がかりになる」としています。

発表したのは、名古屋大学大学院理学研究科の福井康雄教授を中心とした研究チームです。
太陽の8倍以上の質量がある巨大な恒星は一生を終えるときに「超新星爆発」と呼ばれる大爆発を起こし、爆発のあと、強いX線が放出されることが知られています。
このX線は宇宙放射線の1つで、宇宙の成り立ちに大きな影響を与えていると考えられていますが、放出の仕組みは謎とされています。
研究チームは、南米チリにある電波望遠鏡「なんてん」を使って、地球から3000光年から7000光年の間で起きた3つの「超新星爆発」のそれぞれの場所の宇宙空間を詳細に観測しました。
その結果、爆発が起きた周辺はいずれも水素ガスで覆われていてガスが濃い場所で特にX線が強くなっていたということです。
そのうえで、X線は、爆風と水素ガスの衝突で、空間内にある電子にエネルギーが加わって放出されたとみられることが分かったとしています。
「超新星爆発」で強いX線放出される仕組みを解明したのは初めてだということで、福井教授は「太陽系や宇宙の進化を解き明かすうえで、重要な手がかりになる」と話しています。

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