自民党総裁選5候補生出演 「外交・安全保障」を尋ねる
自民党総裁選が14日に告示され、5人の候補者が出そろった。
その5人の候補者が「スーパーニュース」に生出演した。
「外交・安全保障」について質問した。
(中国船の領海侵犯はどう対応すべき?)
安倍氏「民主党政権ほど、中国に対して、いわば配慮しながら辞を低くして、外交展開した政権はないです。結果は最悪な状況になっている。間違ったサインを送った結果だと思います。中国共産党の、いわば専制支配の国でありますから、支える柱は、高度経済成長と、そして愛国主義なんですね。その結果、高度経済成長を維持するためには、エネルギーが必要です。彼らが確保しようとしてきている。でも、もちろん戦争する気なんかはない。もしかしたら、とれるのであればとろうと思っている。間違ったサインによって、自分たちの支配力を高められるんではないかという誤解をしたんですね。ここは日本が、この島は、わたし自身で、断固として守るという決意を示す必要があります。そしてもちろん、日米同盟関係ですね。同盟関係が危うくなっていると思っているからこそ、彼らがこういう攻撃的な対応をしていると思います」
(海洋監視船の乗組員が上陸した場合は逮捕すべき?)
石破氏「これは上陸してくれば、船は治外法権ですからね。でも上陸をしたということになれば、治外法権から出るわけですから。そういうような対処は可能です。ですから、わたしは、領海侵犯に対応する規定が自衛隊法にない。それは設けなければなりません。そして、海上保安庁の能力も、海上保安庁の船って30ノットしか出ないので、もっと上げていかなければならない。海上自衛隊との連携も高めていかなければならない。そして、どうやって連携をするか。どういう事態になれば、日米安全保障条約が発動されるのか。その前に海上警備行動。あるいは治安出動。そういうのがありますね。そういうものを全部1つ1つ詰めていって、抑止力を高める。問われているのは日本の体制なんです。わたしたちがどういう体制を敷くか。それが喫緊の課題です」
(どう日本側としては外交的に対応すべき?)
町村氏「2005年春。まさに今回、あるいは今回以上の激しい反日デモがありました。日本の大使館の窓が破られ、法人が襲撃されて、大変な事態が起きておりました。わたしはその時、単身、北京に行きまして、向こうの外務大臣と4時間半サシで激しい議論をいたしました。その1週間後からデモはピタッと止まりました。彼らは、そういうことをコントロールできるんですね。できないといいつつ、できる。相当できる。ですから、やっぱりここは、1つは政府が明確な交渉方針を持って臨むこと。そしてもう1つ、外交には力の裏づけが必要ですから、先ほど両先生が言われたような、しっかりと防衛力を整備し、また海上保安庁の能力を整備し、守るものはしっかりと守るんだという決意を示す。そして必ず、すでに出ておりましたが、旅行をキャンセルするだとか、こういうことに弱いんですね、日本は。ですから、そこは日本人も覚悟を決めて頑張ると。たかが旅行がなんだ。たかがといったら、それは大変な人たちがいますから、あれかもしれませんが。やっぱりそこは我慢するところは我慢するというところを政府が国民の皆様方にしっかりと説得、話し合いをしなければいけないですね」
(石原都知事は14日、5候補者に尖閣諸島に関する公開質問状を送ることを正式表明したが?)
石原氏「公開質問状受けて立とうじゃありませんか。それは怒ってるんですよ。日本外交は稚拙ですよね。国が買ってしまうということは、中国共産党支配化の中国においては、最大の行為なんです。ですから、そこを、そういうことをやるけれども、やることによって、都知事の言っていることを止めますよということを事前に言っておくとか。あるいは都知事にやらせて、この主権を守って、いやいや、私たちは止めてるんですけれども、都知事がいうことを聞かないんですよと、この2つのカードを持って、都知事を悪者にしても、俺を悪者にしろと総理にメッセージは伝わっているはずですよ。それを両カードとも放棄して、外交交渉もやらないで、いきなり国有化するってやるから、こうやって艦船が6隻も来るわけですよ。そこの外交の稚拙さっていうものは、これに始まったわけではありませんけど、そこは、しっかり今の政府は、自分たちが引き起こしたんだということを、しっかり認識するところから先に進んでいかないと、この問題、深刻ですよ、今は。わたしは、今、ちょっと立ち止まってクールダウンすべきだと思います」
(自民党政権になったら中国漁船の尖閣上陸という事態を防ぐことができる?)
林氏「今、石原先生がおっしゃったように、外交っていうのが存在しているのかなとさえ思うんです。いろんなルートで、いろんな話をしながら、しかし、一方では、きちっと拳を見せる。これ、両方あって初めてできると思います。最後はトップリーダーの胆力ですが、その手前で、何もしてなくて、胆力だけってあり得ないわけです。ですから装備はきちっとやる。海上保安庁と海上自衛隊の間の隙間が出ないように、きちっと整備をする。こういうことをやったうえで、情報分析をきちっと中国といろんなパイプを使ってやる。そのところに、総合力として結果が出せるだろうと」
(民主党は何かと「中国を刺激しない」という。刺激しない姿勢はどうか?)
安倍氏「刺激しないというのは、まさに中国側のペースにはまるというか、友好第一主義の外交なんです。長い間、日中外交というのは友好第一でした。間違いですね。友好は手段なんです。目的は国益ですね。国益を削って友好を維持しても意味がないと思います。わたしは、総理の時に、最初に訪問する国として中国を選びました。戦略的互恵関係ということで一致しました。それはつまり、日本は中国に投資をし、輸出をして利益を上げていますが、中国は日本の投資で雇用を創出し、そして半製品を輸入して、それを加工して、世界に売って利益を得ている。つまり切っても切れない関係なんですね。お互いの成長は、お互いにとってプラスですねということを認識しながら、しかし国が接していれば、さまざまな問題が起こるんです。それをコントロールしていくことが大切だろうと思います。わたしが訪中したすぐあとにも、中国人の人たちが乗った香港の船が、尖閣に上陸をしようとしましたが、断固として阻止をさせました。つまり、守るべきものはきっちりと守っていく姿勢が、わたしは大事だろうと思います」