私が所属するNPO法人ライフデザイン研究所では、13,000人近い方々の葬儀や墓の相談に応じてきた。
お墓の相談は、同じ「どうする」でも相談者の家族構成や親族あるいは寺などの付き合いの程度により、 その先の対処方法が全くことなる。とことん話をうかがって、相談者の悩みや不安をひとつひとつ紐解き、 その方のベストへ導いていくことが我々相談員の仕事である。
少子高齢社会を迎えた日本。お墓は、悩ましい存在へと変貌を遂げようとしている。一般的に、 お墓といえば子孫代々護っていくものである。ところが、少子化に伴い、それを護っていける者がいない!? という話が、ごく身近になってきた。
実は、お墓の相談の中で最も多いのが、その承継に関することである。ここで皆さんに基礎知識。 お墓は「祭祀財産」の一つで、受け継ぐ事を承継という。祭祀財産の承継は民法により、家や土地などの財産とは区別されている。 どう区別されているのかというと、相続財産は数人で分けて承継できるのに対し、祭祀財産は1人だけが承継することとなっている。 なぜかというと、祭祀財産を分割してしまうと、法要など祖先の祭祀を行う際に支障をきたすおそれがあるからなのだそうだ。 そして、なんと祭祀財産には相続税がかからない。 生前にお墓を用意しておくことは、寿陵(じゅりょう)といって縁起がよいとされているが、さらに、税金対策にもなるというから一石二鳥である。 是非とも心に留めておいてもらいたい。
ひとつは、お墓の承継者がいないことにより生じる無縁化を避けたいというもの。「独り暮らし。この先どうしたらよいのかわからない。」
「十何代にわたる先祖代々の墓を護ってきたが、跡継ぎがいない。」「結婚していない兄弟がいる。この先誰がその兄弟の面倒みるのか。」
もうひとつは、子を思う親心で、費用や精神的負担をかけたくないというもの。 「子供たちに迷惑をかけたくない。だから、できることは自分たちで。」 「自分と妻の田舎の寺にそれぞれお墓がある。バラバラだと子供たちが不憫なので、ひとつにまとめたい。」 「離婚した。両親が眠る本家の墓に入りたいが、許してもらえるだろうか。」etc. 考え方として、お墓を「持つべきか」「持たざるべきか」と不安に明け暮れる人が少なくないであろう。死後の処理は、残念ながら他の誰かの手を借りなければ、自己完結することはできない。 とくに承継の問題は、あとあと家族、親族間のトラブルの種になりかねない。 ゆえに事前にお墓に対する自分や家族の希望、お墓を建てる際の問題と解決策などを、家族で話し合っておくことをおすすめしたい。 相談できる人がいない場合は、不安がらずにNPO法人ライフデザイン研究所(電話相談無料)へ、問合わせしてほしいと思う。
今の時代、個人のライフスタイルにあわせて、お墓に対する価値観やあり方も変遷を遂げている。「先祖代々」から「家族」の墓へ、そして「個」の墓へといった具合だ。 あなたの希望をかなえるために、まずはイメージからはじめてみよう。 そして、それを実現するためにどのようなお墓や埋葬方法があるのか、この後紹介をしていくので、比較検討材料として参考にしていただけたらと思う。
NPO法人ライフデザイン研究所副理事長
単独で365日「葬儀・お墓の電話相談」をした経験を持つ、葬儀・お墓のスペシャリスト
内情を知るべく、寺院でアルバイトした経験あり。 葬儀社に頼み込んで、現場スタッフとして入り込み、葬儀の裏側を知る。 葬儀社、寺院、石材店など直接訪れて入手した情報の深さに定評がある。 過去に訪問した葬儀社・寺院・石材店は700軒を越える。 分かり易い語り口が親しまれている。 全国各地で葬儀やお墓の勉強会を開催中。
ライフデザイン研究所
フリーダイヤル0120-38-7830
電話相談実績 5,700件
過去勉強会参加者 8,026名
(平成23年10月1日現在)
対象エリア:東京・埼玉・千葉・神奈川・群馬県・栃木県・茨城県