進次郎氏が自民総裁選のカギ握る！？告示日に急転ダンマリ宣言

（左から）林政調会長代理、石原幹事長、町村元外相、石破前政調会長、安倍元首相

　自民党の小泉進次郎青年局長（３１）は１４日、総裁選で自身が推す候補について「話すのは控えた方がいい」と話し、２６日の投開票まで“推しメン”を公表しない考えを明らかにした。１９日に表明することを前日まで明言していながら、急転ダンマリを決めた進次郎氏だが、図らずも、発言ひとつで総裁選を左右しかねない自らの影響力の大きさを示す形となった。総裁選はこの日、告示され、５人の立候補が決まった。

　進次郎氏が突然、「ダンマリ」宣言した。この日、党本部で行われた５人の候補の所見発表演説会の直後。報道陣を前に進次郎氏は、意を決したように話し始めた。「立候補者のみなさんの話は聞きました。しかし、どなたに１票入れるかという発言は控えた方がいいと思いました」。前日までは、青年局と女性局が共催する１９日の立候補者の公開討論後に支持候補を表明する予定だった。

　変心の裏には、過熱する報道がある。「自分がキャスチングボートを握るかのような、現実とは違う報道がされている。衆院１回生の私の１票が影響を与えるというのは、非常に不本意だ」とお怒りモード。「私はキーマンどころか、フレッシュマン。身のほどはわきまえて行動する」と述べた。

　だが、進次郎氏が思う以上に影響力は大きいようだ。政治評論家の有馬晴海氏は「進次郎氏は総裁選の行方を左右しかねないほどの人気と影響力がある。支持候補を表明すると、党員票が大きくその候補に流れる可能性がある」と指摘。その上で「進次郎氏が総裁を決めた、という流れになるのは良くない。支持を表明しないのは賢明な判断」と評価した。政治評論家の浅川博忠氏は「党員、党友への影響力はあると思います」と認めつつ「ただ、議員を追従させるまでではない」と話した。

　２００１年の総裁選では、進次郎氏の父・小泉純一郎氏が党員票の人気から地滑り的に大勝。橋本龍太郎元首相有利の下馬評を覆した。１回生議員ながら党若手の顔になっている進次郎氏にとっては、選挙に影響を残さないことが最善の方法だったのかもしれない。

　ただ、進次郎氏は「どなたかに投票することは約束します。腹の中の思いはある」と、すでに支持候補を決めていることを示唆。この日、「自民党には危機感がある。変わったことをしっかり示さなければいけない」と話したことから、派閥・長老政治の復活をイメージさせる石原伸晃幹事長（５５）や町村信孝元外相（６７）や、特に接点のない林芳正政調会長代理（５１）は考えづらい。残るのは石破茂前政調会長（５５）と安倍晋三元首相（５７）だが、１０日の党青年局主催の研修会で進次郎氏自らが講演に呼んだ石破氏が有力だ。

　有馬氏も「進次郎氏にとって石破氏は外交問題の先生。何の本を読むべきかなど、アドバイスを仰いでいる」と、石破氏支持を予測。さらに「小泉元首相は、脱派閥派の石破氏支持に傾いているはず」とも付け加えた。

（2012年9月15日06時02分スポーツ報知）