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【福井発】

政府の脱原発転換説明 知事きつく「迷惑千万」 「経緯思い出すべきだ」

2012年9月14日

西川一誠知事との対談後、取材に応じる牧野聖修経産副大臣(右)と神本美恵子文部科学政務官=13日午後、県庁で

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VS副大臣

 3カ月前、原子力発電を「重要な電源」と位置付けた政府が、手のひらを返した。13日、脱原発方針を告げに来た政府側に対し、西川一誠知事は「原発の好き嫌いの話ではない」「迷惑千万」と強い口調で異を唱えた。

 脱原発に向けた国の方針を伝える経済産業省の牧野聖修副大臣に対し、西川知事は「総理が記者会見でエネルギーや安全保障の観点から原発は重要な電源と訴え、福井も重く受け止めて大飯原発を動かした経緯を思い起こすべきだ。その場限りの対応にしないのが重要」と苦言を呈した。

 エネルギー政策の議論については「エネルギーの確保は国の存立にかかわる。代替電源や国民生活、雇用、安全保障への影響や責任を示すことが大切で、国民を説得、議論をしなくてはいけない」としたほか、廃炉問題にも触れ「使用済み核燃料について、われわれとしては(廃炉なら)即撤去して更地に戻していただくのが基本。政府の覚悟で対応できると見通して考えられているのか」と詰め寄った。

 これに対して牧野副大臣は「ご指摘を私の方からも関係閣僚らに報告させていただき、政府としても努力すると思う」と答えた。 (山内悠記子)

VS政務官

 高速増殖原型炉「もんじゅ」(敦賀市)の在り方について、神本美恵子・文部科学政務官は「平野博文文科大臣は『もんじゅ』のこれまでの研究開発成果を次のプロセスに生かすことが重要と発言しており、政府のとりまとめに当たって責任ある議論をする。率直な意見をいただきたい」と伝えた。

 これに対し、西川一誠知事は「『もんじゅ』を廃止するならシステムや組織など何が問題だったのか、明らかにしなければならない」と指摘。核燃料サイクルそのものの方針が不明確なことも取り上げ、「長年『もんじゅ』の安全問題に努力してきた福井県として迷惑千万な話で、あいまいな方針は受け入れがたい状況。はっきりすべきだ」と不快感をにじませた。

 「もんじゅ」の重要事項を検討する「もんじゅ関連協議会」の協議がないなど議論の不十分さも強調。「事前に十分な時間をもって道筋をつけるべき問題。この程度の検討で『もんじゅ』や原発の将来について(『了解する』と)返事するわけにはいかない」と話した。 (桂知之)

 

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