2012.9.13 05:01

「内柴事件」初公判…被告、無罪主張!(2/2ページ)

内柴正人被告

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 白のポロシャツにベージュのズボン姿で現れた内柴正人被告。現役時代よりもややふっくらとした体形だが、筋肉がはち切れんばかりに盛り上がっている。背筋を伸ばし傍聴席を見回した後、大またで弁護側の前の長いすに向かい、固く拳を握りしめた。

 冒頭の罪状認否で内柴被告は、緊張した面持ちで証言台に立ち、手元の紙を読み上げた。

 「準強姦の行為をしたことなど絶対にない。確かに性行為に及んだのは事実で、このことは社会的に非難されること。ただ(被害者は)酔って寝ていたのではなく、間違いなく起きていた。合意の上だった」

 時々声を震わせながらも、きっぱりと起訴事実を否認した。その上で「昨年12月の逮捕以降、接見を禁止され弁護士以外誰とも会えない生活に耐えたのも、公判で真実が明らかになると考えたから」と強調した。

 検察側は直後の冒頭陳述で、事件当時の状況について「(部員が)寝ていたところ、被告人が覆い被さり、下半身に違和感を覚えた。乱暴されていると気付き『何しているんですか』と問いただすと、(被告人が)手で口を押さえ、リモコンを手に取り、テレビの音量を上げた」と指摘。「犯行後も他言しないように言い含めるとともに『お前犯されてるんじゃないよな』と合意であることを強調した」と主張した。

 一方の弁護側も冒頭陳述で「(部員を)寝かしつけようとしたら、(被告に)しがみついて離れなかった」と反論。「(性交の)途中で別の部員が被告を捜しに部屋に来たが、部員が『知らない』などと答え、性交を再開した」と述べた。

 さらに「帰りのバスの中で部員は友人に(被告との性交について)『めっちゃへたやってんけど』などと苦笑して話した」として準強姦罪にはあたらないと訴えた。

 内柴被告は午前10時から約1時間の初公判中、真っすぐ前を見据え、終始冷静だったが、閉廷直前には感情が抑えられなくなったのか、急に涙ぐみ、目頭を押さえる場面もあった。

 公判は、今後8回予定され、内柴被告への被告人質問は11月28、29両日に実施。12月26日に検察側が論告求刑を行い、翌27日の弁護側最終弁論後に結審する。

(紙面から)