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「これが私たちの“燃料”です」。昨年10月に大津市の男子中学生がいじめを苦に自殺したとされる問題で遺族側の代理人を務める石川賢治弁護士は、分厚いファイルを4冊、机に並べた。
事務所には、事件当初から8月末まで全国各地や海外から約1500件の支援の声が寄せられた。4冊のファイルには、教育現場を変えてほしいという声が詰まっている。内容は遺族へのメッセージ、証拠収集の方法、教育現場への提言もある。米国や中国からのメールもあった。反響の大きさに「驚くばかり」だったという。
最も多かったのは「『いじめ』という言葉を変えてほしい」という訴えだった。「いじめではなく、犯罪という言葉を使うべき」。暴行、傷害、窃盗という直接的な言葉を使えば、現実と向き合うことができるとの指摘だった。「いじめ」という言葉が、その「事実」を隠し遮ってしまう。いじめをなくす第一歩は、「いじめ」という語をなくすこと―。“燃料”はそう訴えていた。
教育現場からの声もあった。
「教育委員会や教育に携わる人たちの事なかれ主義は目に余る。マニュアル化した細かなやり方が学校を縛り、現実と向き合うことができない。今のままでは、教員が最善を尽くすことは難しい。日本中の教育現場は大津市と似たり寄ったり。改革が必要です」(教員歴30年以上の高校教師)。
「今のままの教育体制で良いのか? 制度自体を疑わざるを得なくなる事件だったと思います」(大学の教育学部教授)。
7月16日に石川弁護士らが開設したホームページには、直後から多くのアクセスがあった。翌17日分までに36万件を超え、支援金を受け付ける銀行口座への振り込みも続いている。「私は高校生ですが、バイト代が入ったら振り込みたい」「母子家庭ですが」「いじめをなくすための活動に使ってほしい」。寄付はすでに総額1000万円を超えた。長期化が予想される訴訟費用に充てるという。
「自分の息子もいじめで失いました。でも学校の隠ぺいの前になすすべもありませんでした」。なぜ子供は亡くなったのか真相を知りたい―。多くの事件を手がけてきた弁護士にとっても重い言葉だった。「全力でやらなきゃと思います」。石川弁護士はこうした声を受け止めながら、試行錯誤の日々を送る。
男子生徒が亡くなってから9か月が経過した7月。滋賀県警による学校や市教委への捜査に加え、遺族側が求めた第三者調査委員会の設置もやっと決まった。遺族側の要望で委員になった法大教授の尾木直樹氏は8月25日の初会合を終え、こう言った。「(調査委員会は)子供たちにとっての希望の星にしたい」。教育現場に根付いた不信感を払拭しようと、懸命の努力が続いている。
◆募集 いじめ問題に関するご意見や、連載の感想をメールでお寄せください。宛先はkizuna@hochi.co.jp。「件名」に必ず「いじめ問題」とお書きください。
(2012年9月12日13時15分 スポーツ報知)
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