12日夜、林原岡山第一工場（岡山市北区天瀬南町）のタンクから塩酸溶液が漏れた事故で、同社は13日、漏出量は推定約千リットルで敷地外への流出はなかったことを明らかにした。バルブ付近に損傷があったとの見方が強まっている。

　同社によると、タンク（容量約５万リットル）には当時、濃度35％の溶液約２万５千リットルが入っていたとみられ、13日午前１時までにほぼ漏出が止まった。

　工場は操業中で一時、隣接の住宅地を含む半径約１００メートルに刺激臭が立ち込めたが、従業員28人や住民に体調不良を訴えた人はいなかったという。

　同社などによると、12日午後10時10分ごろ、巡回中の守衛がタンクのバルブ付近から溶液が滴状に漏れているのを発見。次第に漏出量が増えたため同11時５分ごろ、消防に通報した。

　残留溶液を隣接の空きタンクに移す作業が終わり次第、岡山労基署と岡山市保健所は安全管理面などについて調べる。