増川(左)と激しく競り合うグランパスのダニルソン=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで
|
 |
名古屋グランパスのMFダニルソン(26)が新境地開拓へ本格的に動きだした。ボランチが本職だが、1日の柏戦では攻撃的MFとして勝利に貢献。13日のフォーメーション練習でも引き続き同じポジションでテストされた。「ゴールの可能性は高くなる」と、次節のC大阪戦(15日・長居)では積極的にシュートを狙う。
相手ボールを奪う仕事人が、ゴールを奪う点取り屋に変貌する。練習では中盤左の攻撃的なポジションに入り、MF田口、MF藤本と中盤を構成。果敢にゴール前に飛び出す動きを繰り返した。ダニルソンは「慣れれば大丈夫。好き嫌いで役割を選ぶワケじゃないけど、今のポジションは好きだよ」と笑顔で語った。
2010年のグランパス加入後は一貫して守備的MF。4−3−3システムの要として不可欠の存在になったが、今季は新ボランチに田口が台頭。前節柏戦ではダニルソンが一列前の攻撃的MFに移って上下動を繰り返すことで、得点チャンスを数多く生み出した。
ダニルソンは「泰士(田口)は本当に成長している。自分はゴールやアシストで貢献できたらいいね」。得意の弾丸ミドルで相手ゴールをどんどん脅かすと語った。
8月末には、イタリア・セリエAのクラブがダニルソン獲得に動いていると一部で報道された。結局グランパスに獲得オファーはなかったが、この“騒動”はダニルソンのモチベーションを大いに高めた。
「ボクの名前が出たことは誇りに思うよ。チャンスがあればヨーロッパでプレーしてみたいという気持ちはある。そのためには、もっとレベルアップしないと」
ポジションチェンジを機に得点感覚を磨き上げ、完全無欠のMFを目指す。 (木村尚公)
この記事を印刷する