自民党の総裁選が始まる。衆院選の結果次第で「次の首相」になるかもしれない指導者を選ぶ戦いだ。勝てばよいではなく、26日の総裁選出に向け、日本の将来を見通した現実味のある政策論争に期待したい。
同じ総裁選でも、3年前とは重みが異なる。前回は衆院選に敗北して政権を追われた直後。勝っても野党の党首にしかなれない選挙だった。今回の焦点は、遅くとも1年以内にある衆院選の顔に誰を選ぶかだ。
14日の総裁選告示を受けて安倍晋三元首相、石破茂前政調会長、石原伸晃幹事長、林芳正政調会長代理、町村信孝元外相が立候補を届け出る見込みだ。5人も立つのは2008年以来。にぎやかな選挙戦になりそうだ。
大事なのはやはり政策だ。勝者の公約がそのまま日本政府の方針になる可能性がかなりある。党内政局にばかり目配りした内容では国の将来をゆがめかねない。
例えば環太平洋経済連携協定(TPP)の参加問題だ。8月に党政調全体会議でまとめた次期衆院選のマニフェスト(政権公約)の原案を読むと、「TPP交渉参加に反対」と書いてある。
党内にはTPP賛成派と反対派が混在し、うかつな発言がしにくいのはわからなくもない。しかし市場経済に立脚してきた自民党が貿易自由化に背を向けるのは自己矛盾だ。
総裁になりたい一心でTPP反対を掲げて戦えば、政権獲得後に方向転換するのは容易ではない。自らを縛りすぎればのちのち墓穴を掘ることになる。
衆院選後をにらんだ路線論争にも注目したい。自民党は衆院選で多数を得たとしても、参院の過半は占めていない。
消費増税を実現した民自公3党合意の枠組みを維持するのか、それとも間もなくできる新興勢力「日本維新の会」と組むのか。各候補が目指す方向性を明確にして競うべきだ。
野田政権の支持率は低迷しており、民主党をバッシングするのが有権者を振り向かせる早道ではある。だが、「民主党でない」しか売り物がなければ見捨てられるのも早いだろう。
新生自民党は何を目指し、どこに行くのか。「自民党らしさ」とは具体的に何を指すのか。知りたいことは多い。各候補は歯切れよく語ってもらいたい。
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