芸能生活18日
俗に「三日天下」と呼ばれる類のまるでマンガみたいなマヌケな展開である。
■元暴走族リーダー・石元太一、海老蔵を「陰ながら応援したい」 - ORICON STYLE(8月22日 15:22)
歌舞伎役者・市川海老蔵(34)への暴力事件で世間を騒がせた元暴走族リーダー・石元太一(30)が22日、都内で会見を開き、自叙伝『不良録-関東連合元リーダーの告白-』(双葉社)発売と俳優デビューを発表した。「あれはそのへんの居酒屋の喧嘩と同じ」と改めて事件を振り返り、「向こうは会う気はないと思うけど、陰ながら応援したい」と話した。
緊張した面持ちで会見に登場した石元は「10代の時に起こしたトーヨーボール事件で特別少年院に2年いました。一生消えないことなので(自叙伝で)洗いざらい、懺悔も含め自分のすべてを書きました」。海老蔵とは「お店とかで会えばしゃべったというぐらいの仲」だといい、「歌舞伎に対する熱い想いとかを聞いてかっこいいなと思ったし、どこかで会うことがあれば頑張ってくださいと伝えられれば」と語った。
今回、石元はアクション映画『アンダー・フェイス』(来春公開予定)への主演が決定。「役者経験が全くない自分を主役に抜てきしてもらい、感謝と『やらなきゃ』という気持ちが大きくなりました」と真剣な表情。「今後は不良少年の更生についてセミナーなどもやっていきたいので、世間の認知度も必要だと思い役者にチャレンジしました。でも、腰掛けとかじゃなくて真剣にやっていきたいと思っているのでよろしくお願いします」と真摯に意気込みを語っていた。
あまりにもバカバカしいニュースだったので取り上げなかったけれども、僕は人知れず(?)あれこれ思いを巡らせてしみじみとたまらない気持ちになっていたわけである。
あー そういえば「海老蔵事件」なんてトンチンカンな事件があったなあ…と。
そういえばアレって結局その後どうなったんだ?と。
その「海老蔵事件」に関わったとされる人物が俳優デビューってどんだけ世間をナメてんだ…と。
誰か止める人間なり「さすがにこれはマズイだろう」と苦言を呈する人間が芸能界にはいないのか…と。
本人も本人ならそれを受け入れる芸能界ってやつもやっぱりロクでもない世界なんだなあ…と。
この調子だと島田紳助の「復帰」も本当にあるかもしれんぞ…と。
そんな僕のやるせない気持ちを見事に晴らしてくれたニュースが飛び込んできた。
そのオチ(?)がこれ↓だ。
■「関東連合」元リーダー逮捕、詐欺容疑 - TBS(8日 5:49)
自分が入居することを隠し、他人の名義を使ってマンションを契約したとして、警視庁は、暴走族グループ「関東連合」の元リーダーの男を逮捕しました。
詐欺の疑いで逮捕されたのは、暴走族グループ・関東連合の元リーダー、石元太一容疑者(30)です。
警視庁の調べによりますと、石元容疑者は、東京都内のマンションを自分が入居することを隠し、他人の名義で契約した疑いが持たれています。また、石元容疑者に自分の名義を貸した男も逮捕されました。
石元容疑者は先月、俳優としてデビューすることを発表し、出版した本の中で、歌舞伎俳優の市川海老蔵さん襲撃事件の現場に同席していたことや「関東連合」の実態などを明らかにしていました。
警視庁は、動機など、さらに詳しい経緯を調べています。
■俳優デビュー直前の逮捕、「関東連合」元リーダー、石元太一容疑者は海老蔵さん事件で同席 - 産経新聞(8日 21:11)
他人名義でマンションの賃貸借契約を結んだとして、警視庁組織犯罪対策特別捜査隊は、詐欺容疑で、暴走族グループ「関東連合」元リーダー、石元太一容疑者(30)=東京都港区南麻布=ら2人を逮捕。また、パチンコ攻略法の情報を教えると偽り、女性(25)から現金計約136万円を振り込ませたとして、同容疑で職業不詳、藤田周作容疑者(26)=武蔵野市吉祥寺南町=ら2人を逮捕した。
石元容疑者は、歌舞伎俳優の市川海老蔵さんが平成22年11月に暴行され重傷を負った事件で、現場となった港区の飲食店で同席し、海老蔵さんに灰皿で酒を飲まされそうになるなどして仲間が事件を起こすきっかけになったとされている。今年8月には、事件や関東連合の実態などについて語った著書を出版。俳優としてデビューすると発表していた。
同隊によると、石元容疑者は22年3月に傷害事件を起こしており、この際に警視庁が押収した携帯電話の履歴から、藤田容疑者らがパチンコ攻略法の情報提供名目で詐取したとみられる金額が記載されたメールを、石元容疑者が定期的に受け取っていたことが判明したという。
藤田容疑者らは21年9月~22年3月、全国の174人から5800万円以上をだまし取ったとみられ、同隊は石元容疑者が関与していなかったか慎重に調べる。
石元容疑者の逮捕容疑は、昨年8月、南麻布のマンションに自分が入居することを隠して、住所不定、職業不詳、加藤尚弘容疑者(45)=詐欺容疑で逮捕=の名義で契約したとしている。調べに対し、石元容疑者は「名前が売れてしまい、自分名義でマンションが借りられなかった」などと供述しているという。
■関東連合 東京都の世田谷区や杉並区などを中心に結成されたとされる暴走族の連合体。警視庁などによると、昭和48年ごろには約500人の少年が所属していたというが、徐々に少人数化するのに伴い過激化。平成9年には対立グループとの乱闘で少年を刺殺するなど相次いで凶悪事件を起こしたが、15年に解散した。OBには著名人と親交を深めて飲食店などを経営する者のほか、指定暴力団の構成員もいるという。
いやー いろいろとツッコミどころ満載のニュースに発展(?)してくれた。
かつての「加勢大周vs新加勢大周」騒動を髣髴とさせるレベルのマヌケさだ(笑)。
その「新加勢大周」騒動ってもう20年近くも前の出来事だったのね(Wikipediaで調べて「え?もうそんなに経つの!?」とビックリした・笑)。
当時のマヌケな騒ぎっぷりを御存知ない若い皆さんも多いのかもしれない。
もったいない話だ(笑)。
8月22日に「俳優デビュー」を宣言してそのわずか18日後に逮捕された例の人物が「主演」することになっていた来春公開予定の映画は当然お蔵入りになるのだろう。
■制作決定のお知らせ : 石元太一 第一回主演作品 - オールイン エンタテインメント
「アンダー・フェイス」新たなる伝説が、今、幕を開く――!
ストーリー 不慮の事故からボクサーを引退し、トレーナーとしてチャンピオンを産み出すことを夢見ている佐治昌平(石元太一)。そんな佐治の前に、ある日昔の仲間が拉致されたという報せが入る。己を捨てて、仲間を助けようとする佐治だったが・・・
狼の眼をもった佐治昌平の闘いが、今、幕を開く――!
主演 石元太一(いしもと たいち) 1981年東京都出まれ。伝説の暴走族、関東連合「千歳台ブラックエンペラー」16代目総長。鑑別所や各種の少年院で10代の多くを過ごした。現在は、格闘技ジムの経営や、ファッションブランドの立ち上げなど、様々なジャンルで活動している。今月22日には、自叙伝「不良録-関東連合リーダーの告白-」を双葉社から発売した。
「三日天下」ならぬ「芸能生活18日」で終了だ(実質ほとんど何もしてないじゃん、というね…)。
“代表作”が「デビュー会見」と「逮捕」という近年稀に見るマヌケな経歴(?)がキラ星の如く登場した。
自業自得とはいえ同情を禁じ得ないわけである(笑)。
…笑ってるけど。
早くも「逮捕」を巡ってさまざまな憶測(!)が流れていたりするのがこれまた非常に興味深い。
「海老蔵事件」以上に今後の展開(?)に注目していきたい物件である。
>今後は不良少年の更生についてセミナーなどもやっていきたい
セミナー(講演)活動で稼ぐプラン(?)は本件により完全に潰えた。
他人の更生について偉そうに語る前に自分自身が更生しろ!と言われるのがオチである。
仮に実現したところでこういう人間が語るのは“武勇伝”の類くらいで、その中身・内容も普通の感覚を持ち真っ当に生活している人々にとっては全く聞く価値の無いものだろう。
僕は「昔はあんなに悪いことをしたけど今はこうやって頑張ってます!」みたいなことを得意げに語る人間、さらにはそれを“売り物”にして売名行為を働く人間を全く信用しない、と同時に心の底から軽蔑する。
自分にとっては誇らしき(?)昔話や想い出の類になっているかもしれないが、当人から被害を受けたり迷惑を掛けられたりした人々からすれば「何を自慢げに話してやがる!」と不快感の対象でしかないわけである。
迷惑を掛けた人たち全員に土下座して謝罪してから顔を洗って出直して来い!と一喝してやりたい。
まずは自分自身が今後一切他人に迷惑を掛けない真っ当な人間に生まれ変わること、話はそれからだ。
「できるものならやってみろ!(=どうせ今後も同じようなこと[逮捕→更生→逮捕…]を繰り返すんでしょう?)」という半ば棒読み気味で言っているのであしからず。
過去に何度も警察や少年院のお世話になって“更生”したはずの人間がこうもあっさり逮捕されるのを目の当たりにすると、やはり人間そう簡単に生まれ変われる(更生できる)ものではないのだな…という厳しい現実を思い知らされるわけである。
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