谷洋一先生のご葬儀など
石破 茂 です。
昨日27日は、私が当選以前から大変お世話になった元農林水産大臣 谷洋一先生のご葬儀で兵庫県香美町に行って参りました。
昭和60年夏、初めて集会らしい集会を鳥取市で開いた時、弁士としてお越しいただいたのが、隣の兵庫県旧第五区選出の谷洋一建設政務次官でした。
お陰様で今でこそ来援弁士なしで二千人規模の集会が開けるようになりましたが、当時は五百人の動員が精一杯で、弁士としてお越し頂けるだけで本当に有り難かったことをよく覚えています。
以来、農林水産分野や過疎対策で随分とお教えを頂き、平成12年森内閣で先生が農林水産大臣になられた際は総括政務次官(今の副大臣)としてお仕えし、雪印乳業事件や中海干拓中止問題などで随分とご指導をいただきました。私が農水大臣の時、事故米問題を何とか処理できたのは、この時の教訓が大きく役立ちました。
新進党を離党し、無所属を経て自民党に復党し、失意と挫折感に苛まれていた時、一緒にミャンマーの視察に行かないか、とお声を掛けて下さったのも谷先生でした。一週間ほど、先生と二人でミャンマーの農業や植林を中心として各地を視察したことはとても懐かしい思い出です。
順風で調子のいい時は多くの人が寄ってきてくださいますが、失意の時はその何十分の一の人しか気に掛けてはくれません。本当に有り難く思ったことでした。
昨日は多くの方が弔辞を述べられましたが、中でも豊岡市長の弔辞は本当に先生の人間性が心から偲ばれるとても素晴らしいものでした。
過疎関係者や農林水産関係者にこそ広く知られているものの、派手な活動をされて全国的に有名だったわけでは必ずしもありませんが、政治家のひとつの理想像であったように思います。ご冥福を心よりお祈りいたしますとともに、立派な後継者である御子息、谷公一衆院議員と共に因幡・但馬地区の発展にも微力を尽くしたいと思います。
今週も予算委員会の運営を巡っての各党協議や地方講演、対談の原稿直しなどに追われて、何も勉強らしい勉強もしないままにあっという間に一週間が過ぎてしまいました。
TPPについて私は「外交交渉に見識や能力の乏しい民主党政府が進める交渉には反対する」という立場であり、内閣の専権事項であるTPP参加交渉そのものを全面否定する立場には立っておりません。
少しでも肯定的な発言をすると嵐のようなご批判が来ることは十分に承知しており、コメント欄にお寄せ頂いたご意見にも全て目を通しております。
この問題については政府と議会との憲法に定められた権能の違いも踏まえたうえでメリット、デメリット双方をよく比較対照し、農業のみならず各分野にわたって論じたいと思っております。いましばらく時間的な猶予を賜りますようお願い致します。
私が野党筆頭理事を務めます衆院予算委員会の開催日程を巡って与野党協議が難航しています。
与党側の岡田克也筆頭理事の主張は、11月の7日、8日の2日間で第三次補正予算案を衆議院で通過させ、9日、10日の二日間で参議院において可決・成立させて貰いたい、というものですが、これだけ大規模の補正予算、特に財源確保のあり方を巡って国論が大きく分かれているものをたった四日で仕上げるなどということ自体、極めて不見識と考えております。
このままでは「予算は通ったが財源確保法案が通らず、執行できない」という事態にもなりかねません。
政治と資金、TPP交渉参加、普天間問題など予算委員会で審議すべき案件は山積しており、それらについて何らの見通しも示さないまま「総理をはじめとする閣僚の外遊日程が立て込んでいるので予算審議は簡単に済ませたい」というのでは本末転倒も甚だしい。APECをはじめとする外交日程は随分と以前から決まっていたのであり、今更外交日程を国会審議簡略化の理由とするのも不見識です。
そもそも前の国会を中途半端なままに閉会したからこのようなことが起こるのであって、政府・与党はもっと責任感を持って国会に臨んで貰いたいと思わずにはいられません。きちんと必要な審議し、成立させるべきものを早期に成立させる確たる見通しを示すべきです。
今週末は本日衆議院本会議の後、鶴保庸介参議院議院運営委員長の関西後援会で講演(午後六時・スイスホテル南海大阪・大阪市中央区難波)、関係者と懇談した後、大阪泊。
二十九日土曜日は自民党北海道政経セミナーで講演(午後一時・札幌パークホテル・札幌市中央区南)、羽田経由で帰鳥。
三十日日曜日は天皇皇后両陛下ご臨席のもと開催されます第三十一回全国豊かな海づくり大会(午前十時・とりぎん文化会館)に参列の後、関西八頭町会に出席(午後三時・東天紅・大阪市中央区大手前)、という日程になっております。
もう十月も終わりです。朝夕は寒さを感じるようになりました。
皆様お元気で週末をお過ごしくださいませ。
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